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「ちょっと失礼します!」馬上で出産!? バカでマヌケな人々が世間を賑わす『100年前の三面記事』

sanmen『100年前の三面記事』(KADOKAWA)

 1986年から続くTBSのラジオ番組『大沢悠里のゆうゆうワイド』。今年の4月に約30年の歴史に幕を閉じることがアナウンスされ、業界内外から惜しむ声が多くあがった。

 同番組内のコーナー「100年前の三面記事特集!」が人気を博し、2011年から14年放送分を元に一冊にまとめたのが本書『100年前の三面記事』(KADOKAWA)である。

 今から100年前というと明治後期から大正時代。まるで落語のような話題を明治中期、明治後期、明治末期~大正~昭和初期と3編にわけて本書は紹介。

 スタートを飾る記事は、明治12年11月20日の東京日日新聞に掲載された『馬上で出産した妊婦』の話題。記事によれば、臨月の妊婦を迎えの馬に乗せたところ、その移動中に陣痛が始まってしまった。妊婦は、慌てる周囲に「騒ぎなさるな! ちょっと失礼します!」と一喝し、馬に乗ったまま尻を突き出して、無事出産したという。

 また、明治34年4月23日の朝日新聞では、秋田県に赴任した武田千代三郎知事が、「県庁の職員が何を言っているかさっぱりわからない」と訛りを矯正させたという記事がある。明治に入り、文明開化といっても秋田をはじめとする東北と東京では、まだまだ隔たりがあったのだ。秋田県庁に勤める人々の多くは、農家出身で「ズーズー弁」を使っていた。武田知事は、ズーズー弁を矯正させるために、何人かの職員を連れて幾度となく上京し、彼らをあえて東京にほったらかしにしたという。

 知事の努力は実り、やがて県庁内で「洋行会」という集団が結成され、積極的に新しい文化に触れていくようになった。

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