“ヘア・ヌード”生みの親が、悩める週刊誌に助言「SEX記事はやめるべきではない!」
#週刊誌 #元木昌彦 #週刊誌スクープ大賞
今週の注目記事・第1位
「安倍首相〈河井克行補佐官〉の暴力とパワハラ」(「週刊文春」3/10号)
第2位
「米国に食われる 血税 防衛費 過去最高5兆円」(「週刊朝日」3/18号)
第3位
「桂文枝(三枝改メ)が振り込んでいた『月20万円の愛人手当』」(「フライデー」3/18号)
第4位
「認知症800万人時代を考える『全員が認知症の村』を見に行った」(「週刊ポスト」3/18号)
第5位
「買い叩かれシャブられ捨てられる日本企業シャープの落日」(「週刊ポスト」3/18号)
第6位
「知らなかった!『食べログ』の秘密」(「週刊ポスト」3/18号)
第7位
「巨人軍のギャンブル汚染」(「週刊文春」3/10号)
第8位
「<臨界点は目前という>『六代目山口組』と『神戸山口組』」(「週刊新潮」3/10号)
第9位
「脳腫瘍『松方弘樹』の危機は1000億円“融資詐欺”の賠償」(「週刊新潮」3/10号)
第10位
「歩く『いけず』京都人のウラとオモテを楽しむ」(「週刊現代」3/19号)
【巻末付録】現代とポストのSEX記事の勝者はどっちだ!
今週の金曜日は3月11日。東日本大震災から5年目になる。だが、週刊誌は取り上げてはいるものの、扱いは小さい。復興や原発被害はまだ道半ばにもなるまい。どこかの雑誌で20ページぐらいとって大特集をしたらどうか。削れる記事は、たくさんあると思うのだが。
まずは、ずっと低空飛行が続いている週刊現代の記事から。京都市にある国際日本文化研究センター副所長の井上章一氏が昨年9月に著した『京都ぎらい』(朝日新書)が、ロングセラーとなっている。
京都市西部の嵯峨で育った井上氏は、長じるにつれて、ある違和感を抱くようになったという。それは京都市中心部、すなわち「洛中」の人々が、同じ京都市民であるにもかかわらず、どうも嵯峨のような「洛外」の人々を見下しているらしい、ということだった。
京都人にとっては、京都御所が世界の中心で、そこからどれだけ近いかで、順位が決まるというのである。
京都人を言い表す例によく出されるのが、京都の「ぶぶ漬け」。京都の人の家を訪れて「ぶぶづけ、いかがどすか?」と言われたら、「長居してないで帰れ」という意味だという。これを、京都の人特有の「いけず」という。
洛中に残る唯一の日本酒蔵元・佐々木酒造の佐々木晃社長がこう言う。
「たとえばお隣のピアノの音がうるさいと思っても、『うるさい』とは言わずに『お上手ですなあ』と言ったり、強引な営業マンが来ても、直接『イヤだ』とは言わずに『お元気な人ですなあ』と言ったりすることはあるでしょうね」
江戸っ子のように、本音と建て前が一緒ではないということだ。こんな例を出している。
「まあ、きれいなネクタイしてはるな」→「派手なネクタイして、あんた何考えてんの」
「何を着ても似合わりますなあ」→「そんな格好して、恥ずかしうないんかい」
料亭などで、うんちくを垂れる客に「お客さん、よう知ってはりますなあ」→「つまらんこと言わんと、黙って食べたら」
子連れの親に、「まあ、元気のええお子さんやな。子供は元気が一番や」→「静かにさせなさい。どんな躾してるんや」
京都の外から移住してきた家の庭先を見て「きれいにしてはりますなあ」→「毎朝掃除せんかい。草ぐらいむしれ」
彼らはこうした「いけず」をニコニコしながら言ってのけるそうだ。
その背景には歴史があると、京都市出身の歴史作家・金谷俊一郎氏は言う。
「京都の歴史は、戦乱の歴史でもありました。室町時代の応仁の乱、幕末の蛤御門の変など、戦のたびに京都は『よそ者』に破壊されてきた。だから京都人は、自分の身は自分で守る、という思いが強いのだと思います」
東北・岩手県育ちだが、すでに20年以上も洛中に住んでいる宗教学者の山折哲雄氏は、こうした「いけず」も含めて肯定する。
「私は『いけず』を優れた文化だと考えています。よそ者を排除するためのものではなく、逆に『いけず』があるからこそ、京都では知らない人同士でも深いやりとりができるのだ、ともいえる。『いけず』は、京都という街の奥行きを端的に示していると思います」
私のような江戸っ子の脳天気な頭では、京都人の奥深さは理解できんということですな。
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