学級崩壊、それは世界崩壊の序曲にすぎなかった!? モンスター化する生徒たち『ゾンビスクール!』
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チキンナゲットを食べたら、ゾンビになっちゃった!? 中国の食品メーカーが消費期限切れの鶏肉を混入していたことから日本マクドナルドがチキンナゲットの販売を一時中止し、ケンタッキーフライドチキンが国産鶏肉に切り替えたのが2014年。その後も異物混入騒ぎや廃棄ビーフカツの横流し事件など加工食品への不信感が高まるニュースが後を絶たない。そんな中、ファストフード関係者が卒倒しかねない米国産のホラーコメディが公開される。『ロード・オブ・ザ・リング』(01)のフロド役で人気者になったイライジャ・ウッド主演&プロデュース作『ゾンビスクール!』がそれだ。学校給食のチキンナゲットを食べた子どもたちが次々とゾンビ化し、教師たちを喰いちぎるという過激な内容となっている。
本作の原題は“cooties”。日本語に直訳すると「シラミ」だが、子どもたちが「このバイ菌野郎、あっちいけ!」と“えんがちょ”するみたいな意味合いもあるらしい。脚本を担当したのは、不条理な殺人ゲームもの『ソウ』シリーズの生みの親リー・ワネルと人気学園ドラマ『glee/グリー』のイアン・ブレナン。この2人が初タッグを組み、悪ノリしてシナリオを書き上げた。ゾンビ化した子どもたちがキライな教師を校庭で八つ裂きにして、内臓を引っ張り出し、小腸で仲良く縄跳びをし、くり抜いた眼球でビー玉遊びに興じる。明るく平和だったはずの小学校が昼休みには瞬く間に地獄絵図へと変貌していく。一方、生き残るために教師たちも必死だ。獲物を求めて校舎内へと乱入してくるゾンビ化した教え子たちに対し、封印されていた体罰で応酬する。手足スポ~ン、脳みそグシャッ状態である。
ファストフード店やコンビニで手軽に売られている加工食品や清涼飲料水が健康を害しているのではないかという不安感が背景となっている本作だが、より大きなテーマとして横たわっているのは大人が感じる子どもへの恐怖心だ。日本でも学校にクレームをつけまくるモンスターペアレントの存在が問題となったが、そんなモンスターペアレントに育てられた子どもたちも、今やすっかりモンスターチャイルドとなってしまった。ひとりのモンスターチャイルドが続々と増殖していく不気味さを、本作ではゾンビに置き換えて描いている。
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