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テレビマンから引っ張りだこ! 芸能界最強の“2番打者”ハライチ・澤部佑の実力とは

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 2016年の芸能界注目は「攻撃的な2番打者」だ。

 野球の世界で「2番打者」といえば、かつてはバントの名手が数多く名を連ね、主に“つなぎ役”を求められる打順だった。しかし、昨季セ・リーグ首位打者を獲得した東京ヤクルトスワローズの川端慎吾は積極的な打撃が売りの「攻撃的な2番打者」としてチームの優勝に貢献。メジャーリーグも含め、「攻撃的な2番打者」はトレンドになりつつある。

 昨年末に発表された「2015年タレント番組出演本数ランキング」では、1位の国分太一(TOKIO)、2位の設楽統(バナナマン)に次いで、3位にランクイン。前年まで圏外だったことからも、昨年が飛躍の年だったことがわかる。

 ちなみにこのランキング、帯番組でレギュラーを持つタレントが上位を独占するのが常。国分(TBS系『白熱ライブ ビビット』、フジテレビ系『おさんぽジャパン』)、設楽(フジテレビ系『ノンストップ!』)以外でも、4位の加藤浩次(日本テレビ系『スッキリ!!』)、5位の坂上忍(フジテレビ系『バイキング』)と、上位5名のうち4名が帯番組の顔。そんなメンバーと伍しての3位、ということに価値がある。

 なお、同一番組タイトルは複数回放送されても1本としてカウントする「番組出演[タイトル]本数ランキング」では、男性でぶっちぎりの1位。総合でも1位の鈴木奈々、2位のおのののかに次いで、3位にランクイン。いかに今のテレビマンが澤部を使いたがっているか、という証左でもある。

 実際、澤部がいると番組がよく回る。ハライチでの「ノリボケ漫才」よろしく、とにかくバットを振りまくる。無茶ブリにも耐える強心臓を武器に、ボケもツッコミもできるから、必然、画面で抜かれる回数が増えていく。打席数が多い、というのも2番打者の特徴だ。

 そして2番・澤部の存在が際立てばそれだけ、3番、4番、5番のクリーンナップ……バラエティであればMC、ゲスト、重鎮タレントの活躍シーンも増えていく。

 澤部の特徴がよく出ている、テレビ朝日系『しくじり先生 俺みたいになるな!!』を例に出してみるとよくわかる。

 この番組でクリーンナップを務めるのは、担任役(レギュラーMC)であるオードリー若林であり、ゲストMCである「しくじり先生」であり、最前列で気の利いたコメントを繰り出す関根勤や伊集院光らだ。彼らのボケを拾い上げ、ツッコミを入れ、しくじり先生たちや後ろに座るノブコブ吉村の雑な言い回しを別な表現でリピートし、気持ちよく次の展開に導いているのが澤部なのだ。

 余談だが、澤部と同じワタナベエンターテインメント所属芸人に「あばれる君」がいる。あばれる君も、上述した「番組[タイトル]本数ランキング」ではピン芸人でトップとなる総合8位につけ、今のバラエティに欠かせない存在になりつつある。彼もまた、2番打者的な立ち位置だ。

 澤部とあばれる君……共に1986年生まれの今年30歳で、15年のブレーク芸人で、落ち着きがない坊主であり、さらにどちらも昨年の賞レースで最下位(ハライチ:M-1決勝戦最下位、あばれる君:R-1決勝戦ブロック最下位)と、意外なほど共通項は多い。

 それでも、あばれる君には申し訳ないが、やっぱり澤部とは役者が違う。最大の違いは、澤部には「一発」の期待があること。普段は脇で支えながら、ホームランが期待できるのも「強打の2番打者」たる澤部の真骨頂だ。

 13年のFNS27時間テレビ『深夜に復活!! フジテレビ大反省会』で、明石家さんまをはじめ、居並ぶ先輩芸人を向こうに回し、神懸かり的なノリボケを連発した姿は、多くの業界関係者の心に今も残っているのではないだろうか。あの残像がある限り、澤部の期待値はますます大きくなる。

 このまま順当にいけば、今年の澤部はさらに出演本数が増し、やがて2番ではなく、クリーンナップの役回りも今以上に増えていくはずだ。それでも、まだもう少し「2番澤部」を見ていたい。それは数年前、有吉弘行が脇から主役へと上り詰めたことでの「喪失感」を、また味わいたくないからでもある。なんなら、年末のM-1グランプリで2年連続最下位になってもいい。それでも、今年一番笑いを取る男の座は澤部のものになっている予感がする。
(文=オグマナオト)

最終更新:2017/05/15 17:24
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