名古屋大生殺人事件から1年……止らない「人を、殺してみたかった」という“いびつな願望”の連鎖
#本 #凶悪犯罪の真相
当時14歳ながら、自身が通っていた中学校の校門に切断した男児の頭部を置くという残忍な事件を起こした神戸連続児童殺傷事件(1997年)の犯人は、酒鬼薔薇聖斗と自称した。2005年、少年院を退院した彼は、社会に復帰し、日本のどこかでひっそりと生活を行っていた。しかし、退院から10年の時を経て、にわかに動きを活発化させている。「元少年A」の名で手記『絶歌』(太田出版)を出版し、公式ホームページを開設。さらに、有料ブログマガジンまで配信しているのだ。
一般的な人間の多くは、彼の起こした事件について憎悪の感情を抱いている。しかし、仙台に住むひとりの少女は違った。彼女は「7月7日!!酒鬼薔薇聖斗くん32歳の誕生日おめでとう♪(///∇///)」とTwitterに投稿し、世間が蛇蝎のごとくに嫌う凶悪犯に対して、あたかもアイドルのような声援を送っている。酒鬼薔薇聖斗のほかにも、彼女は秋葉原事件の加藤智大、池田小児童殺傷事件の宅間守、オウム真理教の麻原彰晃など、残忍な犯行に及んだ犯罪者たちを称揚していた。
Twitterでつぶやいているだけであれば、「犯罪ミーハー」と呼ばれる風変わりな趣味を持つ少女にすぎなかっただろう。しかし、名古屋大学に進学した少女は、14年12月、名古屋市昭和区にあるアパートの自室で、殺人という凶行に及んだのだった。
いったい、彼女はなぜこのような事件を起こしたのだろうか? ジャーナリスト・一橋文哉氏の著書『人を、殺してみたかった 名古屋大学女子学生・殺人事件の真相』(角川書店)から、ちょうど1年前に起こった惨劇を振り返ってみよう。
14年12月7日、少女は顔見知りだった77歳の女性・森外茂子さんをアパートに招き入れた。そして、部屋の中に保管していた手斧を取り出し、森さんを背後から力いっぱい殴りつける。しかし、何度殴っても、森さんはなかなか死なない。少女は森さんが身につけていたマフラーに手をかけて、力いっぱい首を絞めた。動かなくなった森さんの体を浴室まで引きずり、洗い場の床に放置すると、彼女は「ついにやった。」とTwitterに書き込み、携帯電話のカメラで遺体の撮影も行った。
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