シャレにならない“出版不況” ファッション誌筆頭に、雑誌ドン底の「理由」が多すぎて悲しい……
#雑誌 #出版
ネット全盛のおかげで「出版不況、出版不況」とささやかれる昨今ではあるが、多くの人にはその実感がないかもしれない。「最近、雑誌読まないなあ」と思う程度ではないだろうか。確かに、いまだにコンビニには雑誌コーナーが設けられてはいるし、紙ベースの書籍に触れる機会も多いだろう。
ただ、やはり出版不況は現実に起こっている。とりわけ「雑誌」の落ち込みはシャレにならないレベルのようだ。2014年の雑誌売上は約8.9%減、雑誌全体は5%減で、全盛期である1996年の6割程度という惨状だ。
雑誌の中でも、特に深い悲しみに包まれているのが「ファッション誌」。「egg」(大洋図書)や「BLENDA」(角川春樹事務所)などの“ギャル雑誌”が14年に次々と休刊・廃刊となり、それと同時に「渋谷ギャル文化」もほぼ終焉を迎えた。文化の衰退が雑誌の終焉ということで、これは当然の淘汰といえるだろう。だが、これだけではない。
かつて蛯原友里と山田優、ならびに押切もえの3名が“OLのカリスマ”として君臨した「CanCam」(小学館)も、全盛期(06年)の80万部から、現在は11万部へと8分の1に大幅減。広告収入の面からいえば今のほうが儲かっているという話もあるが、これ以上減少するようだと広告を出す企業も減ってしまうのは避けられないだろう。
「ファッション誌は、特にネットの影響を強く受ける傾向にあります。ファッションモデル自体が自身のブログなどでコーディネートを披露することができる上に、ファッション好きの“素人”の提案も可能。さらに、雑誌は『雑誌を読む→店舗へ→購入』という面倒な手順を踏まねばならない場合が多く、『見る→買う』と過程をショートカットできるネット通販相手と比較しても不利です。最近でも『ZOZOTOWN』や、同じ発信元がリリースしたコーディネートアプリ『WEAR』の台頭で雑誌の需要はなくなる一方。必要性が極めてとぼしいジャンルといえるのでは」(記者)
ファッション誌の行く末は極めて暗い模様。しかし、これはわかりやすい例を挙げたに過ぎない。雑誌全体が凋落の傾向にあることは否定できないのだ。
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