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「国家公務員試験で“愛国心検証”」「幼稚園児に思想教育」韓国の右傾化が止まらない!

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 韓国の国家公務員試験で、受験者の政治思想や愛国心を測ろうとしたとして、大問題になっている。問題視されているのは、「5級公務員」と呼ばれる国家公務員(行政職)の採用試験。複数の韓国メディアによると、同試験の最終面接で面接官らが「歴史教科書の国定化についてどう思うか」「“漢江の奇跡”(1960年代以降の韓国の高度経済成長)の原動力は何か」などと質問したという。


 周知の通り、歴史教科書の国定化は朴槿恵大統領の悲願ともいえる政策であり(参照記事)、もうひとつの「経済成長の原動力」という質問も、朴正煕大統領を連想させる誘導尋問のようなもの。同公務員試験は、最終面接で受験者の30%が落とされるといわれており、当落を左右する最終面接において受験者が朴親子の政策を否定するような答え方はできないだろう。つまるところ、政治思想を強要しているようなものだ。ある受験者は「試験結果に影響が及ぶと思って、本当の自分の考えを答えられなかった」と明かしている。

 受験者が韓国メディアに明かしたところによると、ほかの公務員試験の面接においても、「愛国歌(韓国の国家)の3番と4番を歌ってみろ」「太極旗(韓国の国旗)を描いてみろ」といった質問があったという。愛国心を試されるような質問が繰り返されており、事実上の“愛国心検証”が行われているというわけだ。

 公務員試験で時代錯誤な検証が実施されているのは、「人事革新処」の“ガイドライン”に従った結果と考えられる。「人事革新処」とは、2014年11月に設立された国務総理室傘下の中央行政機関で、公務員の人事や採用試験など人材開発関連の業務を担っている。同機関は去る4月、「国家公務員の面接試験を大幅に強化する」と予告しており、また「今年から実施される面接試験は、国家観・公職観・倫理観などの公職価値観と人間性を検証するために、その比重を拡大する」と伝えていた。つまり韓国政府、ひいては朴槿恵大統領の意図によって、公務員受験者の愛国心検証が実施されたというわけだ。

 公務員だけではない。韓国政府は来年から、幼稚園児に思想教育を施そうと画策しているという話もある。中央行政機関「国家報勲処」が予算決算特別委員会に提出した資料によると、政府は「愛国精神継承・発展」事業の一環として、愛国教育を実施する幼稚園のために予算を確保し、全国17の広域市に1園ずつ“愛国教育幼稚園”を設置する方針だ。ちなみに、当初は全国の幼稚園の10%を愛国教育幼稚園にするべく約100億ウォン(約10億円)の予算を要請していたそうだが、ひとまず17園だけで実践することになったという。最近の韓国の右傾化には、目を見張るものがある。

 不適切な試験によって、現政権・保守政権の支持者だけを国家公務員に採用するような動きを見せている韓国。“行政の中立性”から最も程遠い国家といわざるを得ない。

最終更新:2016/01/25 18:54
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