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あの豪快なパンチラが銀幕で! 今週公開の2作品『映画 みんな!エスパーだよ!』 『ヴィンセントが教えてくれたこと』

espa0903(C)若杉公徳/講談社 (C)2015「映画 みんな!エスパーだよ!」製作委員会

 今週取り上げる最新映画は、売れっ子監督・園子温が手がけた人気テレビドラマの劇場版と、ビル・マーレイ主演の心温まるコメディ。前者はおバカなストーリーとセクシーな女優陣、後者は演技達者の主要キャストによるアンサンブルと、それぞれ見どころは異なるが、笑いと感動で気分転換にうってつけの2作品だ(いずれも公開中)。

 『映画 みんな!エスパーだよ!』は、若杉公徳の人気コミックを園子温演出、染谷将太主演でドラマ化した『みんな!エスパーだよ』(テレビ東京系)の劇場版。愛知県東三河に住む高校2年生の嘉郎は、ある日突然、人の心の声が聞こえるテレパシー能力に目覚める。超能力研究者の浅見教授は、嘉郎や同じく超能力に目覚めたエスパーたちを招集。頼りない嘉郎らに、悪のエスパーが進める「人類エロ化計画」を阻止して世界を救うよう告げる。


 Wヒロインにモデル出身の池田エライザと園映画に出演が続く真野恵里菜を配したほか、神楽坂恵、高橋メアリージュン、冨手麻妙、サヘル・ローズ、篠崎愛など、とにかく女優陣が豪華だ。染谷は主演作の『寄生獣』(2014年)と同様、非現実的なシチュエーションでキャラにリアリティーを持たせる稀有な才能を発揮。過去の作品でも豪快なパンチラにこだわってきた園子温監督が、本作でもパンチラをはじめ、水着・下着のセクシーショットを大盤振る舞い。中2男子が妄想するファンタジーを全力で実写化したような、園監督の振り切った演出と女優たちの露出度満点の演技を楽しみたい。

 『ヴィンセントが教えてくれたこと』は、ビル・マーレイ主演のハートウォーミング・コメディ。酒とギャンブルだけが生きがいの偏屈な老人ヴィンセント(マーレイ)は、隣に引っ越してきたシングルマザーのマギー(メリッサ・マッカーシー)から、仕事中に12歳の息子オリバーを預かるよう頼まれる。時給12ドルでしぶしぶ引き受けたヴィンセントだったが、不思議とウマが合うオリバーをあちこち連れて歩き、いじめっ子の撃退方法も伝授。大きく年の離れた2人にいつしか友情が芽生えるが、オリバーをバーや競馬場に連れて行った事実が発覚し、交流を断たれてしまう。

 監督・脚本はCM出身の新人セオドア・メルフィ。主役オファーを快諾したマーレイが、世捨て人のような暮らしぶりの不良ジジイが少年との交流を通じて次第に生きる意思を取り戻す姿を、哀愁とユーモアに満ちた渋い演技で魅せる。コミカルな役柄が多いメリッサ・マッカーシーがシリアスな演技に徹し、妊婦ストリッパーに扮するナオミ・ワッツのはすっぱな雰囲気もいい。マーレイが自ら歌うボブ・ディランの「シェルター・フロム・ザ・ストーム」など、挿入される音楽も効果的。老人と少年の変則的なバディムービーは、目いっぱい笑えて、しみじみと味わい深い逸品だ。
(文=映画.com編集スタッフ・高森郁哉)

「映画 みんな!エスパーだよ!」作品情報
<http://eiga.com/movie/81853/>

「ヴィンセントが教えてくれたこと」作品情報
<http://eiga.com/movie/81272/>

最終更新:2015/09/04 23:00
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