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日刊サイゾー トップ > 連載・コラム  > 『廃墟』で交差する日常と非日常
テレビウォッチャー・てれびのスキマの「テレビ裏ガイド」第99回

これはドキュメンタリーなのかドラマなのか? 『廃墟の休日』で交差する日常と非日常

haikyono.jpg廃墟の休日:テレビ東京

 またテレビ東京で、変な番組が始まった。思わずそうつぶやいてしまうような、異色すぎる番組が『廃墟の休日』(テレビ東京系)だ。これは旅番組なのか、ドキュメンタリーなのか、それともドラマなのか。どんなジャンルと呼ぶべきか、さっぱりわからない。

「超帰りたいッス」
「廃墟を巡るんじゃなかったの? ジャングル探索じゃん」

 そんなふうに愚痴りながら、生い茂る草むらをかき分け、山頂へ向かう2人。第1話から第3話の旅人はTEAM NACSの安田顕と、その友人でディレクター・ライターの野口照夫である。2人は、兵庫県の摩耶観光ホテルから長崎県の軍艦島といった有名な廃墟を巡り、最終目的地である中ノ島にたどり着いた。その山頂にある、公園跡を目指しているのだ。

 『廃墟の休日』は、SNSで知り合った、廃墟に詳しい「ジョン・T」に誘われ、俳優とその友人のクリエイター2人が、指定の廃墟を訪れるという設定だ。そこで、即興の芝居を撮影するまでを描いている。

 番組の公式ホームページによると、「廃墟を訪れる俳優らの素顔が見られる<ドキュメンタリー>と、彼らが道中や廃墟で 繰り広げる<エチュード(即興芝居)>という2つの要素から成る、ロードムービー的ドキュメンタリー×ドラマ」とある。ちなみに4話目以降は、田辺誠一とスミマサノリに交代し、アメリカの廃墟を訪れると発表されている。

 第2話では、前述の通り、軍艦島(端島)を訪れている。廃墟ファンならずとも、有名な日本有数の廃墟。「これぞ、廃墟」と呼べるような島だ。その美しい光景に圧倒されながら、2人は“廃墟”とは何かと考えを巡らせていく。「廃墟と遺跡の差って、なんなのだろう?」と。

 そんな中で、安田は「廃墟」の思い出を聞かれ、学校の旧校舎に入ったことがあると語り始める。

「女子トイレって、廃墟じゃなかったら入ったらいけないところですよね。廃墟ってことは誰もいないわけだから、女子トイレに入れる。だから僕は初めて旧校舎で、大手を振って女子トイレに入りました」

 真面目な顔で、いかにもヤスケンなエピソードを披露するのだ。

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