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日刊サイゾー トップ > カルチャー > 映画  > 『ターミネーター』が帰ってきた!

シュワちゃん扮するT-800が「3世代」で活躍!『ターミネーター』

terminator.jpg(C)2015 Paramount Pictures. All Rights Reserved.

 今週取り上げる最新映画は、あのシュワちゃんが「アイルビーバック」の決め台詞と共に帰ってきた人気シリーズのリブート作と、トリンドル玲奈・篠田麻里子・真野恵里菜のトリプルヒロインが話題の園子温監督作。方向性は異なるが、激しいアクションと予想外の展開で、ジメジメした梅雨どきの気分をスカッと晴らせてくれる2作品だ。

 

 『ターミネーター:新起動 ジェニシス』(公開中、2D/3D上映)は、アーノルド・シュワルツェネッガー主演の大ヒットSFアクション「ターミネーター」(82)のシリーズ第5作。2029年に人類抵抗軍が機械軍に勝利を収める目前、抵抗軍主導者ジョン・コナーの母サラを歴史から抹消するため、機械軍は殺人マシン「T-800ターミネーター」を1984年に送り込む。ジョンの部下カイルがサラ抹殺を阻止するため1984年に到着すると、液体金属型T-1000に急襲され、さらに中年姿のT-800も現れる。

 シュワルツェネッガーだけでなく、ジェームズ・キャメロン監督にとっても出世作となった『ターミネーター』。『マイティ・ソー ダーク・ワールド』のアラン・テイラー監督をはじめとする本作のスタッフ陣は、キャメロンがメガホンをとった第1作、第2作を大いにリスペクトしつつ、過去が書き換えられたことでタイムラインが変わるという解釈で新たなストーリーを展開。シュワちゃん扮するT-800が、CGと特殊メイクも駆使され青年・中年・初老と「3世代」のルックスで活躍するほか、ファンにはお馴染みの主要キャラクターたちも微妙に設定が変わって興味をかき立てる。シリーズの過去作を未見の人、観たけど忘れたという人は、少なくとも1作目と2作目は予習しておくと、本作とのさまざまなリンクをより一層楽しめるはずだ。

 『リアル鬼ごっこ』(7月11日公開、R15+指定)は、山田悠介の同名ベストセラー小説を原作に、『新宿スワン』『ラブ&ピース』と新作公開が相次ぐ園子温監督がオリジナル脚本で新たに映画化したアクションホラー。女子校の旅行で級友らと貸切バスに乗っていたミツコ(トリンドル玲奈)は、偶然かがんだ瞬間にバスが見えない力で上下真っ二つに切断され、ただ一人生き残る。逃げた先の学校でも、教師らが機関銃で女子高生たちの皆殺しを開始。結婚式を控えたケイコ(篠田麻里子)、マラソン大会で出走中のいづみ(真野恵里菜)も、理不尽な大量虐殺が繰り広げられる中、生き残るため必死に逃走する。

 原作の「全国の佐藤さんが鬼に殺される」という設定を、「全国のJKが殺される」筋書きへと大胆に変更。トリプルヒロインにアイドルタレント3人を配したにもかかわらず、スプラッター全開、「切り株」満載という、園監督らしい過激な娯楽作に仕上がった。トリンドル玲奈の、小鹿のような細長い手足を持て余し気味に走る姿がいい。思えば「鬼ごっこ」とは、鬼と子の役をそれぞれ演じる原始的なロールプレイングであり、演劇や映画、RPGの先祖のようなもの。そう考えると、ラストで明らかになる園監督の翻案のキモは、理にかなった帰結であるとともに、映画の原点を見つめ直す試みといえるのかもしれない。
(文=映画.com編集スタッフ・高森郁哉)

『ターミネーター:新起動 ジェニシス』作品情報
<http://eiga.com/movie/80340/>

『リアル鬼ごっこ』作品情報
<http://eiga.com/movie/81818/>

最終更新:2015/07/10 23:00
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