【中国旅客船転覆事故】遺族を徹底的にマーク!? 絶対に報じられない、中国共産党の“醜悪”事故対応
#中国 #東アジアニュース #孫向文 #チャイナめった斬り
6月1日、中国湖北省で458人を乗せた旅客船「東方之星」が転覆、沈没しました。この一件は、日本でも大きく報道されましたが、事故後の共産党による醜悪な対応は、僕の見る限り報じられていませんでした。2008年の四川大地震、11年の温州市鉄道衝突脱線事故など、中国で大きな災害や事故が起こった際、中国政府は決まってある対処方法を取ります。今回もその例に漏れず、同様の行為を行ったので、ご紹介しましょう。
今回の沈没事故が起こった際、人民日報をはじめとする各紙の1面に以下の文字が躍りました。
「習近平主席が迅速に救援の指示を出した」
「李克強(国務院総理)が現場を訪れ、救助隊を勇気付けた」
そして紙面上には、事故の処理にいそしむ中国の指導者たちの写真が大きく掲載されていました。こうした記事を読むと、中国の指導者がいかに人民のことを考えているか実感することができます。中国に生まれてきてよかった……と思う人も中にはいるでしょう。ですが当然のことながら、それは政府の策略にすぎません。
中国共産党は、大事故や大災害が起こると、まず何よりもその後の対応を共産党の手柄にして、それを宣伝に使うことを考えるのです。現場の詳細を見てみましょう。
李克強が事故現場を訪れると、救助隊は全員、救助活動の作業を止め、軍隊のように整列してその到着を熱烈に歓迎します。そして記者たちは、政府の関係者から、英雄が到着する瞬間の雄姿を記事で強調するようにきつく言い伝えられます。
記者たちはその後も救助隊ではなく、李克強を追い続けます。そして、この一国のナンバー2が、生死の狭間を漂う庶民のため、汗をだらだら流しながら真剣に救援活動に取り組んでいたことを、まるで英雄ドラマの主人公のように賛美的に紙面で描き出すのです。とりわけ李克強が弁当を食べながらも指示を出している写真は、各紙で大きく使用されました。この英雄は、食事の時間ですら休むことなく現場に張り付いていたのです。
当たり前ですが、国民は李克強が何をやったかなんて興味はありません。なぜ、この事故が起こったのか、その原因や、救援活動の実態を知りたいのです。ですが、僕たちが知りたい真実が明らかにされることはありません。
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