FC東京・武藤嘉紀を逃したチェルシー、どうしても日本人が欲しい理由とは?
#サッカー
先月末にFC東京のFW武藤嘉紀が、イングランドのメガクラブであるチェルシーのオファーを断り、ドイツのマインツへの移籍を発表した。マインツを選んだ理由は、世界のスーパースターが集うチェルシーでは、出場機会が限られてしまうからとみられる。チェルシーの監督であるモウリーニョが“武藤を知らない”という発言をしたことも、戦力として見ていなかった証拠になっている。ではなぜチェルシーは、試合に出すつもりのない武藤を欲しがったのか?
「欧州のクラブが日本人を欲しがる理由としては、ユニフォームの売り上げと日本に放映権を売ることにあります。加えてチェルシーの場合、来年から日本の企業である横浜ゴムとスポンサー契約を結んだので、形だけでも日本人選手を所属させておきたかったからと見られています。欧州屈指のメガクラブであるチェルシーですが、日本ではあまり人気のあるクラブではありません。これをきっかけに、日本人にも馴染みのあるクラブにしたかったというのも理由のひとつかもしれないですね」(スポーツライター)
爽やかでイケメンの武藤には、うってつけの役回りだったのかもしれない。では、このまま日本人選手を獲得せずにチェルシーは引き下がってしまうのだろうか?
「間違いなく諦めていないです。日本との架け橋がなかったら、横浜ゴムとしても旨みは半減しますし、チェルシー側としてもスポンサーの機嫌をうかがいたいはずです。今すぐに誰かにオファーする可能性はわかりませんが、夏の移籍マーケットでは鹿島の柴崎、ガンバの宇佐美、シャルケの内田辺りを狙うかもしれませんね。どうせ獲得したとしても、半年もせずに他クラブへレンタル移籍させて、飼い殺しにされてしまうでしょうから、あまり誰にも行ってほしくはないですけどね……。なにしろ、チェルシー所属でレンタル移籍している選手は、30人近くもいますから」(同)
プロサッカーはスポーツである前にビジネスである。こういったジャパンマネーを狙った移籍話が出るのは仕方がないことだ。むしろ、ジャパンマネーをまったく意識せずに日本人を獲得する欧州のチームの方が少ない。それでも海外で活躍してきた日本人たちは、金額以上のプレーで周りを納得させてきた。武藤も、マインツを足がかりに、実力だけでチェルシーにオファーされるような選手に育ってくれると信じたい。
(文=沢野奈津夫)
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