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日刊サイゾー トップ > 海外  > 中国人は欧米コンプレックス?
中国“ヤバい”漫画家・孫向文の「チャイナめった斬り」

「架空の“欧米系住人”をエサに……」中国人のコンプレックスにつけ込む悪徳商法が蔓延中

12648574684_e22629bdff_o.jpgイメージ画像 Photo By Tim Evanson from Flickr.

 こんにちは、中国人漫画家の孫向文です。

 先日、アメリカに移民した国籍別の人数が発表され、中国がメキシコを抜いて1位を獲得したことが国内メディアで報道されました。これはいかに中国人が自分の国を抜け出したいと思っているか、そしてアメリカに対して憧れを持っているかということを表していると言っていいでしょう。


 中国に住んでいると、この10年ぐらいで、欧米に対する憧れが急速に強まったことを実感します。僕が住む杭州市の家の近くにも、テーブルチャージ(入場料)だけで250元(約5,000円)かかる高級バーがあります。このバーは、欧米人エリートをターゲットにした装いやBGMで、多くの欧米人が訪れています。それを知った中国人が、こうした欧米人と知り合うために、中国人の平均給料からするとバカ高いそのバーに通い詰めているのです。

 男性の場合、欧米人エリートと組んで、海外で事業を開拓するため。そして、女性の場合、欧米人と結婚して海外に移民したいという打算があるためです。僕の周りの未婚女性は、みんな結婚適齢期ですが、「外国人と結婚して外国で暮らしたい」と夢物語を語ります。低年収の漫画家である僕などは、見向きもされません(泣)。

■欧米コンプレックスにつけ込んだ悪徳商法が蔓延中

 最近は、そんな中国の欧米コンプレックスにつけ込んだ悪徳商法が国内で蔓延しています。その実情がニューヨークタイムズによって取材され、中国のサイト上に動画がアップされて話題を呼んでいるのでご紹介しましょう。

 近年、中国では無計画な都市開発により、ゴーストタウンがたくさん生まれています。不動産バブルはもはや終焉を迎え、不動産業者は、あの手この手を使ってマンションを売ろうとしているのです。そこで利用されるのが欧米人です。

 例えば、福建省の不動産を見に行くと、欧米人がマンションの前を散歩しています。

「マンション買われるんですか? 私はドイツからやってきて、このマンションで暮らしているエンジニアです」

 聞いてもいないのに、彼らはそんなことを話しかけてきたりします。すると、中国人としては、急にそのマンションが高級感あふれるものに見えてきて、自分も欧米人エリートが住むマンションに住んでみたいと考えるのです。ですが、実は、その白人は、エンジニアでもなんでもなく、ただの無職の貧乏人。不動産業者が雇ったサクラだったというオチでした。

 こんなこともありました。中国では、マンションを購入するのはオバサンが多いことから、そんなオバさんたちの心をつかむため、筋肉質の白人が海パン姿でマンションの前を歩くイベントを催したのです。その折には「全米スーパーモデル」というウソっぱちの経歴がしたためられ、おばさんたちは大興奮で黄色い声援を送っていました。

 移民できない中国国民は、せめて欧米エリートが暮らすような高級マンションを購入したい。ですが、そんな夢は無残にも打ち砕かれ、ゴーストマンションで寂しい暮らしをするハメになってしまうのです。

 こんな同胞たちを騙しまくる国を一刻も早く出たいと考えるのは、当たり前ですよね。

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●そん・こうぶん
中華人民共和国浙江省杭州市出身の31歳。中国の表現規制に反発するために執筆活動を続けるプロ漫画家。著書に、『中国のヤバい正体』『中国のもっとヤバい正体』(大洋図書)、『中国人による反中共論』(青林堂)がある。
<https://twitter.com/sun_koubun>

最終更新:2016/01/28 16:16
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