戦後70年で韓国「日帝残滓」撤去宣言も、ソウル市内は日本建築だらけだった!
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「日本が王宮の気脈を断ち切るためソウルに造った建築を撤去」というニュースが流れたのは、5月6日。ソウル市が同日発表した計画によると、日本統治時代に建てられた国税庁南大門別館を解体し、跡地を公園にするという。これは同市が進める“光復70周年”記念事業の一環。“光復”は、日本の敗戦で統治支配から解放されたことを祝う言葉だ。今月から解体に着手し、8月に公園として開放。その後、あらためて跡地が“歴史文化空間”として整備される。
国税庁南大門別館は1937年竣工。ソウル市庁舎のはす向かい、朝鮮王朝の離宮・徳寿宮の右隣にある。現地メディアはこれを「日帝(大日本帝国)が徳寿宮の気脈を断つために建てた」(YTN)などと紹介し、解体の歴史的意義、また70周年イベントとしての重要性を強調した。
「光復70周年を記念して、日帝残滓を解体」――。こう聞くと、注目度の高い歴史的イベントのようだが、ソウル市が記念事業のメニュー作りに苦心した跡も見え隠れする。当初の報道では触れられなかったが、実はそのすぐ右隣も同じく“日帝残滓”の建築だからだ。現在、ソウル市議会議事堂となっているこの建物は、35年に多目的公会堂・京城府民館として竣工。独立運動家による爆弾事件の舞台になったこともある。91年からソウル市議会議事堂となり、2002年には文化財にも登録された。
一方、国税庁南大門別館の前身は、朝鮮逓信事業会館。戦後になって国税庁が入居し、国が所有する資産として管理されてきた。ただし行政機能の地方移転に伴い、昨年末から空き家状態だ。ソウル市は数年前からその周辺を歴史文化地区として整備する計画を掲げ、国に所有権移転を要請してきた。また、これと並行して文化財庁が昨年4月、戦後の増改築を理由に文化財として価値がないと判断。こうして今年5月初めにようやくソウル市への所有権移転が確定し、解体と公園造成が“光復70周年”記念事業として発表された。
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