“お騒がせ”韓国活動家のトンデモ調査 日本語由来のハングル使用禁止を訴える!?
#韓国 #東アジアニュース #河鐘基
韓国で興味深い調査が実施された。韓国広報専門家である誠信女子大学校ソ・ギョンドク教授とそのチームが、「日本語を語源に持つ韓国語の中で、韓国の大学生が普段多く使う言葉」は何かを調べたアンケート調査だ。
ソ・ギョンドク教授といえば、米・ニューヨークタイムズにプルコギの広告を出したり、ウォール・ストリート・ジャーナルやFacebookなどに、日本の歴史歪曲是正を訴える広告を出稿し続けていることで知られている。日本の歴史認識問題を批判する急先鋒であり、職業的に嫌日をうたうタレントのような人物だ。
早速アンケート結果を見てみると、韓国の大学生が最も多く使う「日本語」として1位に選ばれたものとは、「구라(読み方:クラ)」という言葉だった。これは日本語由来の「嘘」を意味する俗語なのだそうだが、日本ではあまり聞き慣れない。韓国語の辞書で調べてみたところ、語源は「晦(くら)ます」にあるのだとか。「くらます」の「行為や事実をごまかす」という意味が、転じて「嘘」という意味になり、「くらます」の最初の2文字である「くら」という部分だけが音として独立することで、韓国語として日常的に使われているのだそうだ。もちろん、アンケート結果には、語源がはっきりと日本語だと分かる韓国語も含まれていた。例えば「ブンパイ(分配)」「ショウブ(勝負)」「ノガタ(ドカタ)」「キス(傷)」「サラ(皿)」「ピカピカ(=光を表す擬態語)」などがそれに当たる。
今回実施された調査には、韓国語の中に残っている日本語の残滓を撤廃しようという、ソ教授をはじめとする研究チームの意図が含まれていると思われる。例えば、ソ教授と研究チームは「韓国から日本語の残滓が消えない理由」として、国民の無関心、残存した日本語の教育、政府の無関心などをわざわざ挙げた。これは日本語を語源に持つ韓国語の使用について、遠回しに批判しようとしている証拠だろう。
そもそも韓国では、植民地文化の名残だとして、日本語由来の言葉や漢字表記を撤廃しようとする市民運動家や個人など、極端なナショナリストの動きがこれまでもあった。そのため、ソ教授らの主張はそれほど目新しいものではないのだが……。
ちなみに、アンケート結果の中には「ホッチケス(ホッチキス)」という言葉も、日本語由来の韓国語としてやり玉に挙げられていた。そもそも「ホッチキス」は、米E・H・HOTCHKISS社から命名されたものだそうだ。海外企業のブランド名がそのまま日本で商品名として定着した好例といえる。和製英語ではあるが、日本語として非難するのはかなり無理がある。前述の「クラ」にしたって、日本では使わないし、そんな言葉があるのかどうかも疑わしい。果たして、ソ教授や研究チームは、そのことを知っているのだろうか?
そんなソ教授は、韓国では大人気。批判する人もほとんどいない。国交正常化50周年を約1カ月後に控える日韓関係だが、ピントのずれたイベントばかりを繰り返す目立ちたがり屋文化人が人気を集めてしまっている現状を見ると、改善は望むべくもないのかもしれない。
(取材・文=河鐘基)
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