チップ拒否→笑顔で「コマプスムニダ!」北朝鮮レストランのウエイトレスに異変
#北朝鮮 #東アジアニュース
中国や東南アジアを中心に展開している北朝鮮レストラン、通称「北レス」。日本には進出していないが、熱狂的なファンが多く、各国の北レスを渡り歩いたり、通い詰める猛者もいるほどだ。
その北レスで働くウエイトレス(服務員)たちの接客に、変化が起きているという。
これまでは周りの目を気にしてか、外国人客からの“チップ”は頑なに受け取ろうとしなかった彼女たち。というのも、外国人客と接触すると、北朝鮮当局から「思想的に問題がある」と批判されかねないため。だが、最近では10元札(約200円)を1、2枚手渡すと、にっこりして「コマプスムニダ!」(ありがとうございます!)と自然に受け取ってくれるようになったという。
「チップを受け取るようになってからは、接客態度もソフトになりましたね。チップは本人の取り分になるのでモチベーションが上がり、それが店の売り上げにもつながる。長く働いている人は要領がわかっているので、笑顔を振りまいてチップを稼ごうと頑張ってますよ」(デイリーNK情報筋)
中国丹東の税関から程近い北レスでは、北保衛部の監視もあり、チップの受け取りに制限があるが、それはあくまでも表向き。上からは「チップを受け取るなら、自分を失わず堂々と受け取れ」と教育されているという。
「ウエイトレスたちは、夜はダンスと歌で盛り上げてくれます。みんな背が高く、スラリとしていてきれいですね。盛り上がりすぎて舞台に上がっちゃうお客さんもいますが、一緒にダンスしてくれますよ」(同)
北レスは、北京、上海などの中国の大都市だけでなく、地方の中都市にも進出している。北朝鮮に近い瀋陽や丹東などでは北レスが隣同士で並んでいる光景も珍しくない。外貨稼ぎを目的に、北朝鮮当局や中国企業との合弁で営まれており、ウエイトレスは、美貌はもちろんのこと、歌、踊り、楽器演奏に中国語まで兼ね備えた女性たちばかりだ。
彼女たちは主に平壌出身の20代で、徹底した身元調査を経た上で海外の北レスで働く。派遣期間は通常3年だが、コネと賄賂で期間延長も可能だという。
いずれの北レスも、老若男女限らずおおむね好評のようだが、客と駆け落ちして脱北するウエイトレスも少なくなく、当局にとっては頭の痛い問題も起きている。
(「デイリーNKジャパン」<http://dailynk.jp>より)
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