世界の立ち入り禁止エリアを写真付きで公開!『絶対に行けない世界の非公開区域99』
#本
インターネットの普及により、地球上でまったく未知の場所というのは、失われてしまったかのように思える。ところが、「いやいやそんなことはない!」と言うかのように発表された1冊が『絶対に行けない世界の非公開区域99 ガザの地下トンネルから女王の寝室まで』(日経ナショナルジオグラフィック社)。ロンドン在住のジャーナリスト、ダニエル・スミス氏が、公式報告書や新聞社をはじめ、信頼できる報道機関などの膨大な情報をわかりやすく整頓し、世界中の非公開区域99カ所を紹介している。ヒトラーが自殺をして最後を迎えた地下壕、教皇とローマカトリック教会に関する最重要文書が保存されているバチカン機密文書館、グーグルが極秘で完成させた巨大なデータセンター、おびただしい量の廃棄物が海に浮遊する太平洋巨大ゴミベルトなどなど、驚くような非公開区域の存在を浮き彫りにし、それにまつわる事実を補足している。
タイトルにもある、「ガザ地区とエジプトをつなぐ地下の密輸トンネル」のページを開くと、真っ暗なトンネルの中で光の先を見つめる男性、エジプト側から密輸されてきた荷物を中身がわからないまま必死で引き上げる男性の写真が飛び込んでくる。紹介文には、トンネルはどんなところに作られるのか、1本作るためににかかる金額が一体どれぐらいなのか、これまでに何本ぐらい作られてきたのか、どんなものが送られているのかなどの詳細が記され、ともかく彼らがいかに決死の思いで、この密輸トンネルを使い、暮らしているのが伝わってくる。
また、宇宙や地球外生命体などに興味がある人は、宇宙人の地下基地があると疑われている、アメリカニューメキシコ州の「ダルシー基地」に注目してもらいたい。かつて宇宙人が地球にやってきてアメリカ政府と共謀し、人体実験やマインドコントロールを行っているというウワサが一大ブームになったが、そのウワサを発信した主であるポール・ベネウィッツが、本拠地と指摘した場所である。ベネウィッツは1970年の初めから、空に奇妙な光が現れるのを何度も目撃し、近くの空軍基地に何か関係があるのでは、と指摘。基地自体はかねてから極秘の開発を行っているとのうわさが絶えなかった場所で、当時、牛の殺戮体が相次いで発見されるなど、謎の現象が報告されていた。その後、徹底的に証拠をかき集めるも、結局、変人としてのレッテルを貼られ、精神的なバランスを崩して亡くなってしまう。今も謎が多く残る場所だ。
最も身近な場所で気になったのは、コカ・コーラのレシピ保管庫。コカ・コーラは世界中で愛され、毎日17億杯も飲まれているといわれているが、その原材料に何が入っているのか? それを答えられるのは社内でもごくわずかだという。レシピは当然ながらパソコンで記録されることはなく、鋼鉄製の巨大な金庫に収められ、厳重に保管されていている。ここに限ってはなんと誰でも訪れることができるので、アメリカに旅行へ出かけた時に訪れてもいいかもしれない。もちろん、警備員、監視カメラが配置され、数メートル離れた柵越しだが。
このように“絶対に行けない”に差はあれど、こんな場所が世界にはあるのかと衝撃を受ける内容に仕上がっている。世の中にはまだまだ知られざる場所が山ほどある。きっと私たちが住む日本にも……。
(文=上浦未来)
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