こんな刑事はイヤだ!! 恐るべき方法で事件を解決する「特殊スキル刑事マンガ」特集
#マンガ #コミック #ザオリク的マンガ読み
『めしばな刑事タチバナ』というマンガをご存じでしょうか? 立ち食いそば・マイナー牛丼チェーン・カップ焼きそば・ポテトチップス等のB級グルメに異常なこだわりとウンチクを持つタチバナ刑事が、取り調べで容疑者に対し、ガチな「めしばな」をしてB級グルメワールドに引き込み、気がついたら容疑者が自白してしまっているというマンガです。手荒な取り調べはせずに、ほんわかムードで事件が解決します。
世間にはグルメマンガとして認識されている作品ですが、刑事マンガの観点で見ると、これほど異例な存在はありません。実は、今回はこういった一風変わった能力で事件を解決する、特殊スキルを持つ刑事マンガをご紹介したいと思います。
特殊スキル刑事マンガの起源は、『スケバン刑事』にさかのぼります。初代・斉藤由貴、二代目・南野陽子、三代目・浅香唯、四代目・松浦亜弥と、まるで歌舞伎役者のごとく「麻宮サキ」のコードネームを襲名させるドラマシリーズが有名ですが、実のところ原作は「花とゆめ」(白泉社)に連載されていた少女マンガです。「スケバン」+「刑事」という意外性がありすぎるキーワードの組み合わせ、「刑事」と書いて当然のように「デカ」と読ませる語呂のセンスの良さ。銃の代わりにヨーヨーを武器として使うという意味不明なこだわり、あらゆる要素が奇跡的に絡み合った、まさに元祖特殊スキル刑事マンガといえましょう。
では、そのほかに、いったいどんな特殊スキルを持った刑事がいるのでしょうか?
■『占い刑事』(著:桑沢篤夫/ヤングジャンプコミックス)
その名の通り、占い師兼刑事の男が主人公のマンガで、易学の知識で難事件をバンバン解決します。主人公・城戸我宝(きどがほう)は、警察署内にいる時も易者スタイル。誰が見ても、一目で占い師とわかります。むしろ、刑事だとわかる要素はゼロです。
張り込みの際には趣味と実益を兼ねて、町の占い師に扮して張り込みます。しかも、よく当たるという評判で、行列までできてしまいます。もはや、張り込みどころではありません。
取り調べでは、容疑者への聴取そっちのけでいきなり四柱推命占いを開始。続いて姓名判断で画数判断、そして手相……と占いのフルコース。どうやら容疑者の今日の運勢は、最悪の模様です。そりゃそうだろ、捕まって取り調べ受けてるんだから。
次々と容疑者に繰り出される占いがこどごとく的中するため、容疑者のメンタルがかなり揺さぶられます。最後に人相占いをしたところ、女運も最悪でした。ついに観念した容疑者は、女性関係のトラブルが元で金銭を奪ったことを自白してしまうのです。……これこそが、占い刑事の取り調べ術。威圧的な態度も取らず、暴力も使わず……それどころか、証拠さえも必要ありません。ただ占うだけで容疑者を落としてしまうこの能力、まさにスーパー刑事ですね。
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