「情熱家」と「ストーカー」は紙一重!? “グローバルストーカー”に見る、韓国の恋愛事情
#韓国 #東アジアニュース #河鐘基
8,500㎞離れた場所に住む女性にストーカー行為を働き、有罪判決を受けた男が、韓国で話題になっている。
今回、有罪判決を受けたキム被告(36歳)は、留学先のドイツの同じ建物内に住んでいた韓国人女性・イさん(仮名)に一目惚れ。幾度となく告白するものの、一向に相手にされず。イさんへの想いを断ち切れないキム被告の行動は、次第にエスカレート。イさんが通っていたドイツの韓国人教会にも頻繁に出現するようになり、周囲を困惑させていた。
留学期間の終了とともに帰国することになったキム被告は、「国に帰ったら、君につきまとうのはやめる」とイさんに約束。が、帰国後も執拗にメールを送ったり、SNSのパスワードをハッキングするなどストーカー行為を続けた。
一方、イさんはキム被告を黙殺する。反応がないことに逆上したキム被告は、2013年の1月と4月、そして昨年10月の3度にわたってドイツに入国し、執拗にイさんを追い回し始めた。イさんは当時、キム被告を避けるために通う教会を変えていたそうだが、キム被告はどこからかその情報を入手。再度、イさんの目の前に現れ、ドイツ現地の警察が出動する事態にまで発展したそうだ。ドイツの警察も、いい迷惑である。最終的に3年間にわたるストーカー行為に恐怖を感じたイさんは、キム被告を告訴。今回の判決に至った。
36歳という年齢で留学したのにもかかわらず、ストーカー行為に身を捧げてしまったキム被告。よほどお金や時間に余裕がある身分だったのか、はたまたイさんがそれほどまでに魅力的だったのか。“グローバルストーカー”キム被告の素性については、まだ明らかにされていない。いずれにせよ、女性の立場に立つならば、かなり怖い話である。
韓国政府は最近、急増するストーカー行為に対して、厳罰化を進める方針だ。今年2月、野党の女性議員は「ストーキング犯罪の処罰などに関する特例法案」を発議。同法案は、ストーキングを行った被疑者に対して、最大で懲役5年の刑を適用できるような法改正を骨子としている。
韓国では、女性を口説くためには“男性は積極的であるべき”という通念があり、人通りが多い広場で告白したり、何度もアタックするなど、少し強引なほうがモテるといわれている。とある20代の韓国人女性の話では「告白されても、必ず一回は断る」らしい。その人が本気かどうか、もしくは何度も自分にアタックしてくるかどうか試すのだとか。そういう恋愛文化の中では、誰が男らしくて、誰がストーカーか分からなくなるような気もするのだが……。韓国人相手の恋愛は、「情熱的であること」と「ストーカー行為」の概念整理から始める必要がありそうだ。
(取材・文=河鐘基)
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