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末端工員でも日給20万円!? 中国「偽札組織」儲けのカラクリ

fakenote-1.jpg次から次へと印刷機から刷り出されてくる偽札を集める警察官。偽札を作るにしては、あまりにも原始的な印刷機だ。

 広東省の警察当局が、同省東部の掲陽市で操業していた偽札工場を昨年12月30日に摘発した際の模様を発表。偽札組織の儲けのカラクリが明らかとなった。押収された偽100元札は1億3,000万元(約25億円)相当というから驚きである。

 発表によると、半年にも及ぶ内偵の結果、製造工場を突き止めた警察は、12月30日の早朝、人里離れたところにある工場を急襲。建物の外見はありふれたレンガ造りの工場だが、中は朝から偽札製造の真っ最中で、最高紙幣である赤い100元札(約1,900円)が印刷機から飛ぶように刷り出されており、傍らには、肩の高さまで積み上げられた裁断前の紙幣の山が8つもあったという。

 この摘発で警察は、1億3,000万元にも及ぶ偽札のほか、印刷機、製版機、裁断機、インク、紙などを押収し、現場にいた7人を逮捕した。

「もう完成品で、踏み込むのがあと1週間遅かったら、これらがすべて市場に出回っているところだった」と、摘発に当たった公安局の隊長は語る。

 広東省は歴史的に偽札製造が盛んで、昨年だけでも12カ所の偽札工場が摘発され、117人が逮捕、2億9,200万元(約55億7,000万円)分の偽札が押収されている。

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 警察と偽札組織のイタチごっこが続くのは、その仕事がオイシイからだ。末端の印刷工とはいえ、熟練ともなると日給が1万元(19万円)近くになるという。摘発を逃れるため、偽札の印刷は短期間に集中して行うことがほとんどで、その作業日数はだいたい1週間から10日ほどだという。カタギの印刷所で働いたところで、1カ月に2,500~3,000元(約5~6万円)程度の給料しかもらえない彼らにとって、10日で200万円になる偽札作りはまさに夢のような仕事というわけだ。

 このように印刷された偽100元札は、1枚6元(約115円)で闇ルートに卸され、全国各地の“市場”に出回っていくという。今回押収された1億3,000万元分の偽100元札は、枚数にして130万枚。つまり偽札組織は、もし摘発されていなければ総額で780万元、日本円にして約1億5,000万円を手にすることができていたわけだ。

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