「愛情は人に見せてナンボ?」男も女もメンツ重視の中国で、“壁ドン”が大盛り上がり!
#中国
去る2月14日のバレンタインデー。中国人はロマンチック好きが多いので、毎年大いに盛り上がる。地方都市のある大型ショッピングモールでは「みんなで壁ドン! イケメンが女の子のハートをゲットしちゃう」と題するイベントが行われた。2月14日付、安徽省発信のポータルサイト「万家熱銭」が伝えた。
「壁ドン」とはもちろん、日本の少女漫画における「壁ドン」のことで、男子が壁にドン! と手を突き、女子を動けなくした状態で愛の告白をすること。中国語でも同じように「壁★」(発音はビードン。★は口へんに冬、ドンという音を表現)と表記され、ネットを中心に若者の間では日本同様に理解されている。
ショッピングモールの中央広場に特設された「壁ドン告白スペース」で、カップルが一組ずつ壁ドン&愛の告白をしていく仕組みだ。司会者がカップルのやりとりをリードして、盛り上げていく。参加したカップルには主催側が撮影した記念写真とバラを一輪ずつプレゼントしてくれるとあって、参加希望のカップルにより長蛇の列ができた。
このイベントに夫と参加した、小学生の子どもがいる中年女性は「老夫婦だからね、壁ドンって! 考えるのもイヤってほど恥ずかしかったけど、やってみたら若い頃のトキメキを思い出してよかったわ~」と喜びを隠しきれない満面の笑みだった。子持ちやベビーカーを押したカップルの参加も多かった。
もちろん、寂しいシングルの男女にも、壁ドンのトキメキを味わうチャンスあり。主催者が事前に用意したイケメンと美女がそれぞれ壁ドンの相手になり、カップル同様、写真撮影を行い、花をもらって、しばしカップルの気分に。ほかにもこのショッピングモールでは、シングル向けの企画として、無料の映画上映会を開催。奇数席に男子、偶数席に女子が順番に座っていき、148名が知らない人同士、隣の席に座ることになり、恋が芽生えるかも!? と盛り上がった。
中国のバレンタインデーは、日本式の「女の子から告白していい日」といった趣はなく、男性から女性にプレゼントや花束をあげたり、レストランで食事をしたりして女性を喜ばせる日。しかし中国が少々独特なのは、メンツを重視する文化とあって、愛情を人に見せるという意識が強いこと。
多くのオフィスでは、結婚を控えた女子宛てにフィアンセから大きな花束がわざわざバイク便で届く。カップルが2人の世界で愛情を確かめ合い満足すること以上に、周りの人が「わー、大きな花束!」「いいなー」と反応することが重要で「皆がうらやむほど彼氏に愛されている私」「彼女を喜ばせることができる(甲斐性がある)俺」をそれぞれアピールし、満足する構図となっている。そのような心理構成のため、本来女子の妄想である「壁ドン」も、中国人には愛情を披露する場として受け入れられやすかった……?
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