天皇陛下とヒットラーを同一視……韓国政治家の“過激発言”に見る「靖国反対運動」の空洞化
#韓国
「例えば、ドイツがユダヤ人虐殺について謝罪したからといって、ユダヤ人がその虐殺現場やヒットラーの墓を参拝するのか。日本が私たちに謝罪したからといって、私たちが靖国神社に参拝して、天皇の墓参りができるのか」
2月9日、ある韓国のラジオ番組で政治家が発したコメントが物議を醸している。司会者が思わず「度を過ぎた比喩では?」と聞き返すほど、過激な発言だった。
発言者は、韓国最大野党・新政治民主連合の鄭清来(チョン・チョンレ)最高委員。最近、同党の文在寅(ムン・ジェイン)代表が行った朴正煕(パク・チョンヒ/韓国第5~9代大統領)と李承晩(イ・スンマン/韓国初代大統領)の墓参りについての発言だった。
日本に当てはめると、安倍首相の祖父の墓参りをした民主党の岡田代表に、同党幹部が苦言を呈したという形になるだろうか。野党内からも反対意見が続出していたわけだが、要するにチョン氏はムン代表の墓参りに対する不満を、“靖国神社”というワードを使って表現したわけだ。
それにしても、なぜ彼はまったく関係のない靖国神社という単語をわざわざ使ったのだろうか? 「内部の不満を日本にぶつけるのは韓国の得意技」とも考えられるが、一方で、靖国神社問題がいつにも増して韓国国内でセンシティブな問題となっているからとも推測できる。というのも、今年が終戦70周年であるだけでなく、昨年末に“靖国神社反対運動”予算3億ウォン(約3,000万円)が全額削減されたからだ。
靖国神社反対運動の予算は、これまで靖国神社の参拝に反対するホームページや映像の制作などに使われてきたが、今年度の予算決算委員会を通過することはなかった。日本が「対外広報戦略」予算を約500億円に増額したこともあって、韓国国民は危機感を募らせている状況にある。
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