死者数は日本の15倍!? 交通ルール“完全無視”の中国で、当局が最終手段「守らないヤツは晒し刑」
#中国
中国名物のひとつといえば「中国式過馬路」、すなわち「中国式道路横断」。言うまでもなく、信号無視・交通マナー無視で道路を横断することだ。
片側5車線以上あるような大きな交差点でも、歩行者は当然のように信号無視をする。そこに、信号が変わる直前に交差点に突っ込んできた右折車や左折車、なぜか進行方向が逆の専用レーンを爆走する電動自転車、都市部なのに牛車に乗った農民、ベンツのパチもんロゴが光る子供用電動カーに乗った生意気な小皇帝などなどが行き交う……。どんなに動体視力のいいボクサーでも、これらを上手に避けて横断するのは至難の業だろう。
いまだに交通マナーがよくならない中国では、交通事故の数も想像を絶している。2013年8月に北京市内で開催された「中国道路交通安全フォーラム」では、なんと12年に交通事故での死傷者数は20万人を超えたと発表された。死者数も毎年、6~7万人で推移しており、これは日本の15倍以上に当たる。
一向に交通事故は減らない中、最近では当局が「最終手段」に出ている。北京五輪前後、中国都市部の各交差点には治安要員が配置され、信号無視をする者を厳しく注意していたが、それも功を奏さなかったらしい。現在では、なんと信号無視する者を監視カメラで録画し、ネット上とテレビ番組で晒すという強硬手段に出ているのだ。
この試みは広東省深セン市羅湖区で14年夏から実施されているもので、信号無視をする自動車や自転車、歩行者を羅湖区の行政公式ホームページ上や、テレビの区民情報番組で晒すというもの。筆者が深セン市内で見かけたこの看板には「赤信号は横断するな。守らない者は晒すぞ!」と恐ろしい警告が書いてある。
さっそく区のホームページを見てみると、交通関連のところに「晒しコーナー」が。現状ではそのほとんどは自動車で、ナンバーが片っ端から晒されている。今後は「歩行者も順次、晒していく予定」(深セン法治通城網より)だという。
日本では考えられないような試みだが、果たして中国の交通マナーは、これで少しはよくなるのだろうか?
(取材・文・写真=金地名津)
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