「“腐ったミカン”はキング・カズ?」波紋広がる横浜FCコーチの発言の裏に、J2の厳しい現状
J2横浜FCのコーチのブログが話題になっている。今季にて退任が決まった横浜FCの鄭容臺(チョン・ヨンデ)コーチが、「腐りきった人間がいればクラブは成長する訳がありません」「腐ったミカンがある為にその影響で周りのミカンが腐る」と、ブログにて内部告発をしたのだ。
予兆はあった。鄭コーチと同様、今季で退任する山口素弘監督も、J2最終節後の記者会見で「僕の信念とクラブの理念が違う」「いろいろあれでもオブラートに包んで話をしました」(J’s GOALより)と、フロントへの皮肉を残していた。その山口監督の発言を受け、鄭コーチも思わず本音をつづってしまったというのは容易に想像できる。
では、腐ったミカンとは誰なのか?
ネット上では、「キング・カズこと三浦知良のことでは?」という臆測が飛び交っている。というのも、鄭コーチは現役時代、2006年と09年に横浜FCに所属。ブログには「横浜FCというクラブは、自分が現役でいた頃から正直成長してないなぁって率直に思いました」と記されていたが、その時期から横浜FCに君臨していたのがカズである。
実際のところ、どうなのか? サッカー関係者に聞くと「さすがに、カズ個人を指したということはないと思いますが……」と前置きした上で、次のように話す。
「カズは人一倍プロ意識が高く、『僕を戦力として考えているのかどうか?』と監督の部屋に聞きに行くこともある。実際、横浜FCでもありました。監督に自らの選手としての価値を確認したいカズの気持ちも分からなくないですが、実際のところ、彼を戦力として考えている監督は少ない。けれども、それを正直に言えない事情がある。それこそが、“腐ったミカン”だと思います」
つまり、カズ個人に責任はないが、横浜FCというチームにおけるカズの立ち位置がアンタッチャブルということだ。
「横浜FCはJリーグの難しさを象徴するクラブです。メインスポンサーの力が強すぎる。ビッグマッチがあれば、彼らに大量の招待券が配られ、関係者席に大挙するんです。100人以上ですよ(苦笑)。とても地域密着しているクラブとは思えない光景です。その招待客のお目当ては当然、カズです。“カズを戦力として考えていない”なんて公言すれば、カズは移籍してしまう。そうなると、メインスポンサーは、スポンサードする意味が薄れる。スポンサーにとっては、横浜FCというチームや、サッカーというスポーツの意義よりも、カズがいるかどうかが大事なんです。でも、それはスポンサーが悪なのではなく、それくらいにJ2のチームの価値が低く、カズのスター性に頼らざるを得ない状況なんです」(同)
もちろん、勝敗に関しては、山口監督の手腕にも問題があったのかもしれないが、横浜FCというチームにも問題があるようだ。現在、鄭コーチの当該記事は削除されているが、ネットでは「よくぞ言ってくれた」と賛同する声のほうが多い。少なくともファンは、横浜FCの体質に疑問を持っているのは間違いなさそうだ。
(文=TV Journal編集部)
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