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日刊サイゾー トップ > 連載・コラム  > TVタレントとしての道重さゆみ
週刊!タレント解体新書 第16回

モー娘。道重さゆみが伝える3つの仕事の極意 日テレ『おしゃれイズム』(11月16日放送)ほかを徹底検証!

michishige.jpg『道重さゆみ SAYUMI』(ZETIMA)

 西暦2003年。朝青龍がモンゴル人として初となる横綱昇進を果たし、宮崎駿監督の『千と千尋の神隠し』が公開され、新語・流行語大賞に「なんでだろう~」が選ばれたこの年の1月19日、道重さゆみがモーニング娘。に加入した。あれから11年と10カ月。モーニング娘。が国民的スターだった時代も、セールス的に伸び悩んだ時代も経験した道重さゆみは、リーダーとしてグループの再ブレークを実現させ、そして未来のモーニング娘。を築くために、14年11月26日の横浜アリーナ公演でモーニング娘。’14を卒業する。

 彼女の偉業を書き始めればきりがないので、ここではテレビタレントとしての道重さゆみに注目しよう。それを語る上でまず欠かせないのが、09年1月3日に放送された日本テレビ系『おとなの学力検定スペシャル小学校教科書クイズ!』だ。司会はくりぃむしちゅーの上田晋也。この番組にパネラーとして出演した道重さゆみは、当時自身の方向性に悩んでいた時期ということもあり、ここで結果を残すと心に決めて珍回答を連発、一気にバラエティ界の中心へと足を踏み込むのだった。

 バラエティ番組のソロ仕事が増えるにつれ、道重さゆみはある事実に気付く。それは、一般層において、モーニング娘。の知名度は非常に低いという残酷な現実だった。「モーニング娘。」という閉じられた世界ではコンサートでもお客は集まるため、思いもよらなかったその事実を目の前にして、彼女は一つの決断をする。自分が嫌われてもいいから、とにかく今のモーニング娘。に興味を持ってもらおうという、それは明らかに茨の道。その道を、道重さゆみは自ら選んだ。

 そして道重さゆみは、「私はかわいい」というアイドルとしては禁忌とも言えるナルシストキャラを開発、さらにそれを毒舌キャラへと進化させる。テレビ朝日系『ロンドンハーツ』でも脚光を浴びて完全にブレーク。この年の秋の「週刊文春」(文藝春秋)の「女が嫌いな女ランキング」で第10位に選ばれるほど、多くの視聴者から嫌われながらも、バラエティから必要とされる存在になることで、今現在のモーニング娘。の認知度を上げていった。

 そのイメージの鮮烈さゆえに、テレビタレントとしての道重さゆみに対して今でもそういった印象を持っている視聴者は多いのではないだろうか? 実際、11月16日に放送された『おしゃれイズム』を見れば、それは明らかだ。くしくも『小学校教科書クイズ!』の司会であった上田晋也から「なんで辞めようと思ったの?」と問われた道重さゆみは、後輩たちが頼もしくなってきたからという理由を挙げながらも「自分も25歳っていう年にもなったし、かわいいうちに卒業したいっていうのは(ある)」「かわいいは確かに継続していくと思うんですけど、ピークは今だなって思ったんです」と回答。ここでスタジオの観客からは笑いが起こっている。これはまさに、道重さゆみのナルシストキャラが印象に残っているからこそ起こる笑いだ。

 しかし、それは道重さゆみの、ほんの一時代のほんの一面にすぎない。彼女は普段から、アイドルに必要なものは「かわいさ」だと公言しており、モーニング娘。のリーダーに就任した際も「かわいいモーニング娘。にしたい」とマニフェストを掲げている。自身のかわいさについての「ピークは今だなって」という発言は、笑いを取りに行った発言ではなく、本心から彼女はそう思っている。だからこそ、人生を捧げて愛したモーニング娘。を去らなければいけないのだ。

 かわいさのピークを迎えた道重さゆみは、11月26日にモーニング娘。’14を卒業する。それでは、彼女が残したものは何もないのだろうか? というと、もちろんそんなことはない。彼女は2014年5月14日に放送されたある番組で、自らが学んだ極意を公のものにしている。それはアイドルにとっての極意でもあるが、人生の半分近くをモーニング娘。のメンバーとして過ごした道重さゆみにとっては、人生の極意でもあり、また仕事の極意でもある。決して他人事ではなく、万人に共有されるべき金言なのだ。

 道重さゆみがその極意を語った番組とは、テレビ金沢で放送された『となりのテレ金ちゃん 金沢駅で逢いましょう』というローカル番組である。この番組にゲストとして出演した道重さゆみは、ご当地アイドルとして活動するJumpin’のメンバーから相談を受け、アドバイスを伝えている。大きく分けて以下の3つが、彼女が後世に遺したその極意である。

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