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日刊サイゾー トップ > 海外  > 路上で頻発する「中国式略奪」

横転したトラックに狂喜乱舞! 頻発する路上の“火事場泥棒”に、運転手が戦々恐々

truck1118.jpgPhoto By kanegen from Flickr.

 「中国式哄搶(哄搶は略奪の意)」という言葉がある。主に、農民(村民)が、道路で事故を起こした貨物車両から積荷を奪い去る行為のことだ。

 11月4日朝5時ごろ、9トンの新鮮な活魚を積載した大型のトラックが上海と昆明を結ぶ滬昆高速道路で横転し、生きた魚が道路上に散らばった。すると、どこからかウワサを聞きつけた付近の村民が、狂喜乱舞で魚を拾い始め、パニック状態に。警察が出動するまで負傷した運転手は放置され、2時間にわたって道路も寸断されることとなった。

 また同日、江蘇省淮安市の高速道路では、総額1,800万円相当の靴を積んだ走行中のトラックが突如炎上。運転手によると、ただ見ているしかないほど火の勢いは強かったという。しかし、駆けつけた多数の村民たちは、炎の中から燃え残りの靴を持ち去り、ほどなく積み荷はキレイに消えてなくなってしまったという。

 トラック事故に乗じた火事場泥棒的行為は、ネット上で「中国式略奪」と呼ばれており、枚挙にいとまがない。以前は果物や卵、食用油など実用的なものが中心だったが、最近では家電や豚、牛など大きなものも奪われることもある。また、悲劇も起きている。

 9月1日には、江西省の高速道路で、唐辛子を積んだトラックが横転し、村民の餌食となった。しかし、高速道路上で略奪に参加していた70過ぎの老婆が、走行中の別のコンテナトラックにひき逃げされ、その後死亡。加害者の運転手は「あそこで止まったら、袋叩きにされるかもしれないと思って逃げてしまった」と証言している。

 機に乗じて瞬く間に獲物に群がる人民の行動力。中国共産党が強権を振るうのも、彼らのこうした習性を恐れてのこと!?
(文=牧野源)

最終更新:2015/01/16 20:06
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