大型連休中に相次いだ旅行者マナー違反で大論争「マナーがないのは農村出身者」?=中国
#中国
建国記念日に当たる10月1日からの1週間、中国は毎年恒例の大型連休を迎えた。今年の連休期間中に旅行に出かけた人は昨年より12%増え、過去最高となる延べ4億8,000万人に達したとみられている。毎年、この時期に取り沙汰される旅行者らによる迷惑行為も、その分、著しいものとなった。
観光地として公開されている江蘇省の周恩来元首相の旧家では、この1週間のうちに観光客が残したとみられる大量の落書きが見つかった。また、広東省深セン市のテーマパークでは、展示していた陶製の小型の人形、5万個近くが来園客によって持ち去られ、被害額は約6,000万円に達した。また、北京の天壇公園にある600年前に製作された漢白玉石彫では、写真撮影のために上部に座ったり立ったりする者が後を絶たなかった。
こうした旅行者による非文明的行為は、中国でも報道されており、議論も巻き起こっている。中国版Twitter「微博」では、こんな書き込みが散見される。
「だから俺はずっと農民を町に入れるなと言っているだろ!」
「習慣の問題だ。都市部の生活に慣れた人ならゴミは自然とゴミ箱に捨てに行く。農村の生活に慣れた人は適当に投げ捨てる」
「俺も農村出身だ。実家ではゴミをその辺に捨てる。大学を卒業して一部上場の会社にインターンに行ったが、つばをどこにでも吐くという理由で解雇された。それから俺は自分をしっかり管理するように心がけた。ある面接で、俺は会社の入り口にあった紙くずを拾ってゴミ箱に捨てた。それが理由で採用されるとは思っていなかった」
つまり「マナーがないのは農村出身者」というわけである。しかし一方では、こんな反論も。
「こういったことは、みんな都市の人間がやっているに違いない。農民には旅行に行くような時間も金もあるわけない」
「杭州に旅行に行ったら、マナーの悪い奴らはみんな北京なまりだったぞ!」
さらには、「入場料を払っているんだから別にいいだろう? 保護や掃除は管理者の仕事だ」という開き直ったような書き込みもある。結局、誰もが責任のなすり合いに終始し、他人ごとを決め込んでいる点に、問題の本質がありそうだ……。
(文=牧野源)
サイゾー人気記事ランキングすべて見る
イチオシ記事