佐藤健が! 藤原竜也が! 伊勢谷友介が! 豪華キャストがノンスタントで参戦『るろうに剣心 京都大火編』
#映画
今週取り上げる最新映画は、若手俳優陣の魅力をたっぷり楽しめる邦画2本。スクリーン狭しと躍動するアクションから、初の役どころで見せる新境地まで、彼ら彼女らの入魂の演技を堪能できる作品だ。
『るろうに剣心 京都大火編』(公開中)は、和月伸宏の人気コミックを佐藤健主演、大友啓史監督で実写映画化した『るろうに剣心』の続編。幕末の動乱期に「人斬り抜刀斎」と恐れられた流浪人・剣心(佐藤)は、明治維新を経て穏やかな生活を送っていた。しかし、「影の人斬り役」を引き継いだ志々雄(藤原竜也)が、明治政府に裏切られ抹殺されかけたことを恨んでクーデターを画策していると知った剣心は、刃と峰が逆の「逆刃刀」を携えて志々雄のいる京都へ向かう。
伝統的な殺陣にワイヤーアクションを取り入れ、新世代のチャンバラ活劇を確立した第1作から、佐藤健のスピーディーな動きと切れ味鋭い太刀さばきがさらに進化。また本作では、藤原竜也、伊勢谷友介、神木隆之介らも代役なしの激しいアクションで参戦した。女優陣も武井咲、蒼井優、高橋メアリージュンとぜいたくな顔ぶれ。9月13日公開の『伝説の最後編』に連なる2部作の前編という位置付けのため、いよいよクライマックスという場面で終わってしまうもどかしさはあるが、ラストで登場する大物俳優の正体も含め、やはり完結編まで見届けたいと思わせる要素の詰まったアクション娯楽大作だ。
『ドライブイン蒲生』(8月2日公開)は、芥川賞作家・伊藤たかみの同名小説を、染谷将太と黒川芽以の主演で映画化したドラマ。街道沿いのさびれたドライブインを経営する蒲生家に生まれた姉サキ(黒川)と弟トシ(染谷)。ヤクザ崩れで怠惰な父(永瀬正敏)のせいで、2人は周囲から「バカの一家」と蔑まれ、絶望したサキはヤンキーになり、妊娠して家を飛び出す。数年後、夫のDVから逃れて出戻っていたサキは、幼い娘を連れて夫との話し合いに行くと言い出し、トシの運転で目的地に向かう。
相米慎二、石井岳龍(旧・聰亙)らの作品で撮影監督を務めてきた名カメラマンのたむらまさきが、75歳で監督デビューを飾った。明示的でクセのあるパンやズームの手法が、ドキュメンタリーに似た奇妙なリアリティーを生んでいる。郊外のよどんだ空気感と、世間になじめない家族の生きざま。姉弟の不器用なあがきの先に見える、かすかな希望の光。初のヤンキー役に挑んだ黒川芽以と、21歳にして主演作がめじろ押しの染谷将太が醸し出す、絶妙な間合いとけだるさが味わい深い。
(文=映画.com編集スタッフ・高森郁哉)
『るろうに剣心 京都大火編』作品情報
<http://eiga.com/movie/78920/>
『ドライブイン蒲生』作品情報
<http://eiga.com/movie/80271/>
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