浦和レッズ横断幕問題「試合終了まで外せなかった」ワケ……クラブチームとサポーターのいびつな関係とは
#サッカー #Jリーグ
今月8日、「Japanese only」と書かれた横断幕の写真が、Twitter上を席巻した。こういった人種差別は海外のサッカースタジアムで頻発しており、欧州サッカー連盟も頭を悩ませているが、この写真が撮影されたのは海外ではなく、日本だった。
当然、多くのサッカー関係者やファンたちが、この横断幕をゲートに張った浦和レッズサポーターを問題視した。Jリーグも動き、13日になって、浦和が行うホームスタジアムでの1試合を無観客にする処分を下す。しかし、あるクラブチームの経営者は、一連の流れに違和感を覚えるという。
「対応まで5日もかかっているのは遅いですよね。ネット社会を理解していない。これだけ放置すれば、画像は拡散されるし、当然、さまざまな臆測を呼ぶ。旧態依然としたJリーグの体質が、スピード感を鈍くさせたのでは」
その一方で、浦和に下された処分は妥当だという声が多い。Jリーグ史上例がないものであり、浦和の入場料収入は1試合当たり約1億円というのを考えれば、罰金が科されたのと同じである。
裁定を受け、問題行動を行ったサポーターグループへの非難が集まっているが、そもそもは、クラブ側の対応の甘さが招いた結果である。というのも、浦和の淵田敬三社長は「横断幕に気付いたが、試合が終わるまで外せなかった」と語っているのだ。ゴール裏での情報と照らし合わせると、クラブスタッフは横断幕に気付き、サポーターに撤去を要請。しかし、合意を得られずに断念。だが、欧米系の観客がこの横断幕の写真を撮影したため、慌てて外したという。
今回の対応について、「クラブ側が、サポーターの問題行動を過保護にしすぎ」と前出の経営者は指摘するが、それが顕著なのは、敗戦が続いた際に必ずといっていいほど起こる、「社長を出せ」というサポーターの抗議をめぐるクラブ側の対応だ。
「Jリーグでは、わりと頻繁に『社長を出せ!』という声が上がり、それにクラブ側が対応する。ある意味、番組スポンサーに直接抗議を入れ、番組を終わらせようとする視聴者に似ている。サポーターの抗議は、スタジアム収入はもちろん、スポンサー離れにつながるので、時に社長を交代させるほどの影響力もある。そのため、サポーターのほとんどが、そういったパフォーマンスに酔っているように見えます」(同)
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