背景に陳情者の締め付け強化? 全人代会期中に連続焼身自殺が発生!
#中国
13日に閉幕した、中国の国会に相当する全国人民代表大会(全人代)。実は9日間の会期中、とある異常事態が発生していた。全人代の会場である人民大会堂からも程近い天安門周辺で、2件もの焼身自殺が発生していたのだ。
全人代開幕日の5日午前、天安門前の金水橋そばで突然、白煙が上がった。目撃者によると、40代の女性が突然、自らの衣服に火をつけたのだ。その直後、付近で警戒中だった警察が消火器で火を消して彼女を連行したというが、その後の安否は分かっていない。
ちなみにこの事件に関し、ネット上で情報発信した人権活動家の中国人女性が、当局に拘束されている。
さらに10日の早朝7時前、再び金水橋で30代の女性による焼身自殺が発生。これは、現場にいた私服警官に阻止されて未遂に終わっている。
しかし、全人代会期中であり、昆明駅の無差別テロの直後という超厳重警戒中の天安門周辺で、数日中に2件もの焼身自殺事件が起きるのは異例のことである。
その背景に、「陳情者の締め付け強化」を指摘するのは、中国事情に詳しいフリーライターの高田信人氏だ。
「全人代の時期には、中央の『陳情窓口』を目指して多数の陳情者が地方から北京を訪れる。さらに、中央からのマイナス査定を恐れて陳情を食い止めようとする地方当局もやって来て、彼らを連れ戻すということが毎年行われていのですが、今年は北京に派遣される地方当局の人員が例年より多かったといわれている。習近平による腐敗撲滅運動の最中、陳情が命取りになりかねないため、地方役人も必死なのでしょう。焼身自殺を図った2人に関しては、北京に陳情に訪れていたという情報もある。最後の希望だった陳情を阻まれ、命をかけて声を上げた可能性もある」
ネット上を中心に言論統制を進める習近平政権で、今後も“命の陳情”が頻発する!?
(文=牧野源)
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