ファンサイトに、写真入りグッズも……中国でプーチン人気が広がるワケ
2014/03/12 15:00
#中国 #プーチン #ロシア
「週刊ニューズウィーク日本版 2014年3/4号」( 阪急コミュニケーションズ)
ウクライナ政変に乗じ、クリミア半島での支配を広げるロシアで、プーチン大統領の支持率が上昇している。全ロシア世論調査センターによると、3月1~2日の時点でプーチン大統領の支持率は67.8%に達し、2012年5月に3期目に就任して以来の最高値となった。
そんな空前のプーチン人気が、隣国である中国にも及んでいるという。北京市在住の日本人男性は語る。
「微博(中国版Twitter)では、ロシアがクリミア半島を事実上制圧したころから、プーチンをたたえる書き込みが相次いでいるし、プーチン大統領のファンサイトまで登場しています。また、ニセモノ市場としても知られるショッピングモールの秀水街などでは、プーチンの写真がプリントされたTシャツや胸像が売られている。中国のメディアは最近、やたらプーチンに好意的で、表紙にプーチンを登場させる雑誌も複数ある」
中国で、外国の現役指導者がこれほどまでに人気を集めるのは異例のこと。こうした人気の理由について、広東省ブロック紙記者はこう話す。
「中国人は昔から『強い指導者』に憧れを持っている。意外かもしれませんが、日本の田中角栄や小泉純一郎は、中国でも政治家としての評価が高かった。プーチン大統領の、テロや隣国に対する断固とした姿勢は、まさに中国人の理想の指導者像。ただ、ここまでの人気の裏には、同様の問題に手をこまねく、習近平政権への弱腰批判が暗に秘められているともいえる。当局も危機感を感じ、ネット上での過剰なプーチン礼賛に対し、言論統制を強めている」
中国人民は、日本の一部をアジアのクリミア半島にしたいと願っているのかもしれない。
(文=牧野源)
最終更新:2014/03/12 15:00
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