人身売買もIT化!? 赤ん坊ネット販売の裏に、一人っ子政策の緩和?=中国
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2月28日、中国警察当局が、インターネットサイト上の赤ん坊売買の一斉摘発に踏み切った。その結果、4つの赤ん坊売買サイトを摘発、1094人を逮捕した。また、売買目的で誘拐されていた赤ん坊382人も救出された。
問題のサイトでは、販売希望者から出品された赤ん坊を閲覧することができ、購入希望者が応募する形で売買が行われ、サイト側は、売買が成立すると、手数料を得ていた。
人身売買がネットで手軽に行われるとは、世も末といったところだが、「同様のサイトは、今回摘発されたもの以外にも無数にある」とするのは、広東省ブロック紙社会部記者だ。
「もともと赤ん坊の取引は、ホテルの一室などで秘密裏に行われていたのですが、当局による取り締まり強化によって、姿を消した。しかし最近増えているのが、こうしたインターネット上での赤ん坊売買。背景には、一人っ子政策の緩和がある。当局が最近、夫婦のどちらかが一人っ子である場合、子どもを2人産むことができる『単独二胎』を導入したことで、若い夫婦には『2人目』熱が高まっている。しかし、すでに子づくりの適齢期を過ぎた夫婦は2人目が欲しければ養子をもらうしかない。ただ、これまでは一人っ子政策に違反した子どもが養子に出されていたが、政策の緩和によって、養子は供給不足になっている。そこで、誘拐した赤ん坊を販売するネットサイトが密かにはびこっている」
一方、生後間もない赤ん坊が捨てられて死亡する、棄児問題も深刻となっている中国では、「赤ちゃんポスト」に相当する施設の増設を求める声も上がっている。
誘拐してでも売りたい者と買ってでも赤ん坊が欲しい者、そして我が子を棄てるしかない者――。この国が抱える歪みは、まさに末期的だ。
(文=牧野源)
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