SPICY CHOCOLATEのパクリ騒動で再評価される“ネタ元”ORIGINAL LOVEと渋谷系の現在
NTTドコモのCMに起用され、大ヒット中のレゲエユニットSPICY CHOCOLATEの「ずっと feat.HAN-KUN & TEE」が、ORIGINAL LOVEのヒット曲「接吻(せっぷん)kiss」のメロディーに酷似していると話題になっているが、ORIGINAL LOVEがあらためて注目されるという、思わぬ“副産物”を生んでいる。
今回の“パクリ騒動”をキッカケに、YouTubeにアップされたORIGINAL LOVEの同曲PVには、往年のファンや、リアルタイムでORIGINAL LOVEを知らない若年層とおぼしきユーザーらが、「10代の俺が聞いても、こっちのほうがいい」「騒動でこの曲知れたのは良かった」「盗作騒ぎで、あらためてこの曲を聞いてみた。やっぱりオリジナルはパクリとパワーが違うね」といったコメントを寄せている。
ORIGINAL LOVEは1986年結成で、ロックやパンク、ソウル、ブルースなど多彩な音楽性を誇るバンド。当初は4人編成だったが、現在はボーカルの田島貴男のソロプロジェクトとして活動を続けている。だが、なんといっても音楽ファンには、1990年代に一世を風靡した“渋谷系”アーティストの代表格として知られている。
「当時、田島は『渋谷系』と呼ばれることを、とても嫌っていましたね(笑)。渋谷系って、音楽的なブームメントとしては非常に大きかったですが、どちらかというと洋楽ファンやオシャレな人たちの間で大流行したもので、個別のアーティストで見ると、セールス的にオリコンのチャートを賑わせたようなケースは意外に少ない。最も売れたのは“オザケン”こと小沢健二ですが、ORIGINAL LOVEも、そうした“お茶の間レベル”での人気を獲得した数少ないアーティストです」(音楽ライター)
くだんの「接吻(せっぷん) kiss」は、93年に放送されたドラマ『大人のキス』(日本テレビ系)の主題歌。当時、人気絶頂だった石田純一と柴田恭兵のW主演で話題を集めていたドラマだけに同曲は大ヒットし、マニアックなファンが多かったORIGINAL LOVEの存在を一般に広く知らしめることとなった。
「当初はドラマ人気に引っ張られる格好でしたが、楽曲のよさで大ヒット。何よりも、渋谷系の存在を一般に決定づける曲となりました。パクリ騒動はともかく、こうして過去の名曲が再注目され、あらためて評価されるというのは、すごくいいことだと思いますよ。オザケンも3月に8年ぶりのCD『我ら、時 通常版』を発表するし、今年は渋谷系の再評価の機運が高まるかも。まあ、個人的な希望ですが(笑)」(同)
思わぬ“温故知新”となった今回のパクリ騒動、さて渋谷系は復活するかどうか……。
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