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ダウンタウン・松ちゃんも特許出願してた!?  笑えて学べる『すばらしき特殊特許の世界』

subarashiki.jpg『すばらしき特殊特許の世界』(太田出版)

 発明品の権利を独占できる「特許」。“特許を取って、一発大儲けしたい!”と、一度は考えたことがある人も多いのではないだろうか?

 本書『すばらしき特殊特許の世界』(太田出版)は、ただの特許の話ではない。少し変わった発明者・出願人、技術の内容や解釈、権利の範囲が“普通じゃない”、特殊な特許のみを集めて紹介している。


 著者の稲森謙太郎氏は、科学技術ジャーナリストであり、知的財産権と呼ばれる特許権、商標権、著作などについて、オモシロおかしく伝える第一人者。本書では、特許庁が特許出願の1年6カ月後に発行している「公開公報」を入手し、出願された内容を分析。さらに、発明者や出願人にコンタクトを取り、彼らの話を元に、出願された特許の内容を解説している。許可が下りたものはもちろん、下りなかったものについても扱っている。
 
 その中でも気になったのは、バンダイナムコゲームスと秋元康事務所が、現在進行形で共同出願中らしい、「AKBをフッてフッてフリまくれ!」のキャッチコピーで大きな話題になった『AKB1/48 アイドルと恋したら』の恋愛妄想ゲームシリーズ。「公開公報」によると、はっきりとゲーム名は書かれていないようだが、「本命の女性を決めて、ほかの女性をフリまくる」というコンセプトが記されている。また、恋愛シミュレーションゲームの進め方や、グッドエンディング演出の概念図など、特許取得のために提出された図解があれこれと掲載されており、どうやら本当に特許出願されているようだ。

 また、なんとダウンタウンの松本人志氏も特許の出願をしているらしい。さかのぼること、およそ20年。1993~96年まで放送されていた、発明バラエティ『発明将軍ダウンタウン』(日本テレビ系)を覚えているだろうか? 素人発明家や松本氏自身が考え出したオモシロ発明品を紹介する番組で、よくもこんなモノを大真面目に作ったなと爆笑していた記憶がある。けれど、あの番組に特許になりうるような発明品なんてあったっけ……? と、首をかしげたが、さすがは松本氏。確かに、特許になりそうな発明を考えていたのだ! 
 
 著名人の発明以外にも、阪急不動産と竹中工務店が共同出願した大阪駅前の巨大観覧車ビル、葬式のやり方や、夫婦が別れることのない指輪など、ユニークな特許ネタがぎっしり。

 本編の合間には、アップルVSサムスンの行方や、アンジェリーナ・ジョリーと遺伝子特許などについて書かれたコラムも8本あり、かなり読み応えがある。一般人にはあまり縁がない、トンデモな特許の世界を覗き見してみよう。
(文=上浦未来)

●いなもり・けんたろう
1970年東京都生まれ。科学技術ジャーナリスト、弁理士、米国公認会計士。94年、横浜国立大学大学院工学研究課博士前期課程修了(工学修士)。大手電気機器メーカーにて、ソフトウェア関連発明の権利化業務、新規事業領域における戦略的提携の立案、グローバル研究開発や産官学連携の推進などに携わる。特許権、商標権、著作権などの知的財産権(知財)関連の小難しい話を楽しくわかりやすく伝える、知財啓蒙の第一人者。主な著書に、『勝手に使うな! 知的所有権のトンデモ話』(講談社+α新書)、『女子大生マイの特許ファイル』(楽工社)がある。

最終更新:2014/02/14 18:00
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