キャリア史上最高にホットで過激なディカプリオに大興奮『ウルフ・オブ・ウォールストリート』
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今週取り上げる最新映画2本は、実話ベースとフィクションの違いはあれど、どちらも人並み外れた“パワー”の持ち主が主人公。スクリーンから飛び出すほどの壮大なハジケっぷりに、唖然としつつ興奮し、勇気と活力をもらえるはずだ。
『ウルフ・オブ・ウォールストリート』(公開中、R18+)は、マーティン・スコセッシ監督がレオナルド・ディカプリオと組み、実在の株式ブローカーの栄光と転落をセンセーショナルに描いたドラマ。学歴も金もコネもないが野心だけは人一倍のジョーダンは、22歳でウォール街に飛び込むも、正規ブローカーの資格を得た途端に株価大暴落の余波で失職。くじけないジョーダンは、ペニー株(ボロ株)の仕事をきっかけに、巧みな話術で着々と成り上がる。26歳で証券会社を設立し、素人の創業仲間たちにノウハウを伝授して急成長、年収は49億円に。酒、ドラッグ、高級コールガールの豪遊をエスカレートさせるジョーダンだったが、政府機関から目をつけられ、やがて破滅を迎える。
ディカプリオとスコセッシ監督のタッグは実に5度目で、その中の『ディパーテッド』はアカデミー賞で作品賞を含む4部門を獲得。今作でも同賞主要5部門にノミネートされている。ウォール街の若きカリスマに扮したディカプリオは、部下を鼓舞するエネルギッシュなスピーチ、フルヌードでのベッドシーン、バッドトリップしてはいずり回る場面など、キャリア史上最高にホットで過激な演技を披露。タガが外れた金融資本主義を体現する破滅型キャラクターを、シニカルな笑いも交えて提示するスコセッシ監督の、71歳にして枯れるどころかますますスキャンダラスなテーマにチャレンジする創作意欲にも圧倒される。
『マイティ・ソー ダーク・ワールド』(公開中、2D/3D上映)は、マーベル・コミックのスーパーヒーローを映画化した『マイティ・ソー』の続編。ロンドンで原因不明の重力異常が発生し、調査に訪れた天文物理学者のジェーン(ナタリー・ポートマン)は、地球滅亡の鍵となる「ダーク・エルフ」の力を宿してしまう。恋人のジェーンを救うため、ソー(クリス・ヘムズワース)は彼女を連れて神々の国アスガルドに戻る。だが、そのせいで故郷を危機に陥れてしまったソーは、弟で宿敵でもあるロキ(トム・ヒドルストン)に協力を求める。
マーベルの人気ヒーローたちが集結し、世界的大ヒットを記録した『アベンジャーズ』から1年後が舞台。アイアンマン、ハルクといったヒーロー軍団を苦戦させた敵キャラのロキが、今作ではソーと共闘するという意外な展開がファンを楽しませてくれる。前作から出番は減ったものの、浅野忠信も引き続きアスガルドの戦士ホーガン役でアクションを披露。一方で、「キミに逢えたら!」のカット・デニングスは、色っぽいボケキャラの助手役で前作より出演シーンが大増量。ともすると人類が置いてけぼりになりかねない神々の壮大すぎる戦いの合間に、ほどよい人肌感で笑いと恋愛要素を提供している点がうれしい。
(文=映画.com編集スタッフ・高森郁哉)
『ウルフ・オブ・ウォールストリート』作品情報
<http://eiga.com/movie/78790/>
『マイティ・ソー ダーク・ワールド』作品情報
<http://eiga.com/movie/77785/>
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