故・桜塚やっくん「死んじゃった」不謹慎見出しがスポーツ紙に躍ったワケとは
#マスコミ #桜塚やっくん
女装キャラで一世風靡した桜塚やっくん(37)がバンド活動で九州へ向かう途中、中国自動車道で事故死。これを報じた10月6日付日刊スポーツの見出しが物議を醸している。
「高速道ではねられ 桜塚やっくん 死んじゃった」
意味合い的には「死んでしまった」の口語体だが、一般的にくだけた表現と捉えられるため、訃報に適当とは言いがたく、ネット上ではこれに対する批判が集中。日刊スポーツの編集部にも、クレームの電話が多数入ったという話が伝わっている。
記事の内容は、まだ誰が運転していたかはっきりしていない段階の速報で、桜塚さんの経歴や最近の活動をなぞったもので、いかにも急に仕上げた記事という印象だが、同紙のネット版の見出しは「桜塚やっくん高速ではねられ心臓破裂」と変えられており、批判に対応したようにも見える。
電話で抗議したひとりである桜塚さんファンの女性、福岡在住の坂本麻紀さん(33)は「スポーツ新聞の見出しひとつで文句を言いたくもないんですが、あまりに悲しい事故に対して、それはないんじゃないかと思わずにいられませんでした」と話した。
また、週刊誌記者からは「事務所の後ろ盾がないから、見出しに気を使われることもなかった」と、不謹慎な見出しが躍った背景を語る。
「桜塚さんはジャニーズJr.出身ということで、この業界だとむしろハンデを抱えていたようなものでした。そのせいか、器用でありながら劇団員として下積みがあったり、ブレークするまでかなり長かったんですよ」(同)
1998年のTBS系ドラマ『SCANDAL』では植田浩望名義で出演。美容師役で演技力を見せつけたが、ジャニーズから脱退したタレントを使いたがらない業界とあって、俳優としてのスムーズな成功はなかった。
11年3月に女性への準強姦事件が報じられ、仕事が激減したこともあったが、所属事務所を辞めても自主活動が続けられたのは「過去の経験によるものが大きい」と記者は話す。
「横浜市議を目指す一方、ローカル活動中心の女装バンドをやっていたのも、コネに頼らない、彼なりに描いた成り上がりロードがあったはず」(同)
しかし、バックアップのないタレントに対しては遠慮しない傾向が強い一部メディアは、最後まで冷たかった。「死んじゃった」の見出しについて、当の日刊スポーツは取材に対し「お答えできません」とノーコメント。これではスケバン恐子風に「日刊スポーツにはガッカリだよ!」と言われてしまいそうだ。
(文=鈴木雅久)
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