「秋田書店だけじゃない!」当選者なんて存在しないのか……雑誌懸賞の知られざる真実
#出版
読者プレゼントはすべてフィクションでした――。「週刊少年チャンピオン」などで知られる秋田書店が、雑誌に掲載した読者プレゼントの当選人数を水増しして告知。実際には発送していなかったことが明らかになり、消費者庁が景品表示法違反(有利誤認)に基づく措置命令を出す方針であるという。
消費者庁によれば、問題になったのは「ミステリーボニータ」「プリンセス」などの雑誌で、読者プレゼントの当選者数を2名と告知しながらも実際には1名だったり、50名のはずが3名という事例があったという。
雑誌では必ず見かける読者プレゼントだが、実はかなり厳密なガイドラインが存在する。出版業界には日本雑誌協会が母体の雑誌公正取引協議会があり、「公正競争規約」を定めている。ここには2011年現在で101社が加盟しており、業界自主ルールを守って運用することになっている。
このルールはかなり厳密で、一般的な懸賞の場合では
●景品類の上限額:定価の20倍まで(定価500円の雑誌ならば1万円まで。上限は10万円まで)
●景品類の総額:定価×実売想定部数×2%以内(定価500円で5万部想定なら50万円以内)
とされる。また、アンケートやクイズの回答を求める懸賞は「特例懸賞」とされ、この場合は景品類の最高額は3万円などとされる。また、アンケートの項目数は9項目以上、表紙・広告・ネットに載せてはいけない。
しかし、こうしたルールを十分に把握せず、ルール破りをしてしまう事例はたびたび起きている。過去には女性誌が定価の20倍を上回る景品を表示してしまったり、「特例懸賞」なのにインターネットで応募できるようにしてしまった事例がある。
消費者庁や公正取引委員会は、こうした懸賞をかなりチェックしているようで、違反行為を指摘する連絡があって初めて問題に気づく出版社も多いという。
また懸賞の金額だけでなく、読者全員プレゼントで「切手○○円が必要」という表示が小さいという指摘もあるのだとか。
サイゾー人気記事ランキングすべて見る
イチオシ記事