国旗の数だけ存在する意外な歴史に大興奮!『国旗 その“隠された意味”に驚く本』
#本
じっくりと世界の国旗を眺めたことはあるだろうか? 運動会の時になぜか必ず飾られていたり、地図帳にずらーっと並んでいるのを見て、“世界にはいろんな国があるんだなぁ!”なんて、なんとなくワクワクした記憶はあるのだが、それぞれの国旗がいったい何を意味しているのかまでは考えたことがなかった。
『国旗 その“隠された意味”に驚く本』(河出書房新書)は、約140カ国の国旗について、色使いや模様、その知られざる意味、国旗が誕生するまでの背景がまとめられた1冊だ。
例えば、ブラジル。緑と黄と青の3色で、中央に地球らしきものがあり、星もあったような……とぼんやりと思い浮かぶが、本書の解説もよると、背景の緑は森林を表し、中央の黄色いひし形は鉱山物質、地球のような青い円は天体。天体を横断するようにかかる白い帯は、アマゾン河を表しているという。さらによく見ると、この白い帯の中にはポルトガル語で「ORDEM E PROGRESSO」(秩序と進歩)という哲学者オーギュスト・コントの言葉が書かれている。また、無造作に散りばめられたようにも感じられる星は、こいぬ座をはじめとする9つの星座を表しているという。
さらにインドの国旗を見てみると、サフラン、白、緑の横3色の中央に丸い紋様が配されている。これには宗教的な意味合いが込められており、サフランはヒンドゥー教、緑はイスラム教、白は2宗教の和解とほかの宗教を表す。と、ここで「あれっ?」と思うのが仏教について。いまやヒンドゥー教徒が約80%も占め、仏教徒はたった1%にも満たないものの、インドといえば、仏教発祥の地。何も触れられていないのかと思いきや、やはりそんなことはなかった。中央の丸い紋様には、仏教を象徴する「チャクラ」(サンスクリット語で車輪、円の意)があり、この国での堂々たる威厳を見せている。インドの国旗が制定されたのは1947年の独立時。独立運動の指導者マハトマ・ガンディーが、スワラージ(自治・独立)の象徴として使用した旗が元になっているのだ。
このように、国旗を細かに見ていくと、その国の深い部分が見えてくる。ヨーロッパにはなぜ3色旗が多いのか? ネパールの国旗はなぜ三角を2つ合わせた形をしているのか? また、インドネシアがモナコと同じデザインの国旗を使い続けている理由とは――?
国旗のことを知れば、世界のことがよくわかる! もちろん、日本の国旗についても書かれているので、その由来をぜひ知っておきたい。
(文=上浦未来)
●博学こだわり倶楽部
互いの知識を競い合う博学集団。メンバーは常人が気にもとめない世の森羅万象にこだわり、その解明のために東奔西走して追求している。著書には『絶対にすべらない雑学の鉄ネタ』『常識として知っておきたい科学50の大発見!』『金 知っておきたい大切な知識』(すべて河出書房新書)ほか多数。
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