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日刊サイゾー トップ > インタビュー  > 武論尊先生にインタビュー!
『下流の生きざま』発刊記念インタビュー

『北斗の拳』原作者・武論尊が語る自衛隊時代、そして、恩人ちばあきおに伝えられなかった言葉

bronson_int01.jpgペンネームは肉体派男優チャールズ・ブロンソンから。
ブロンソン主演作『さらば友よ』(68)や『ウエスタン』(68)がお気に入りなのだ。

 アタタタターッ!!! 『北斗の拳』といえば、1983年から5年間にわたって少年ジャンプで連載され、数多くのフォロワーたちを生み出してきた一大ロングセラーコミックだ。核戦争後の荒廃した近未来社会を舞台に、北斗神拳の伝承者・ケンシロウと強敵(ライバル)たちとの激闘の歴史がコミック全27巻の中に刻まれている。名作誕生から30年を迎えた2013年、原作者・武論尊氏が新書『下流の生きざま』(双葉社)を書き下ろした。表紙を飾っているのは、何と北斗四兄弟の中でもっとも姑息な男・ジャギ! ケンシロウでもラオウでもトキでもなく、ジャギ流のサバイバル術をフィーチャリングした人生指南書なのだ。「こんな格差社会こそ、ジャギのように生きるべき」と説く武論尊流名語録の数々を堪能してほしい。

──『北斗の拳』連載時はケンシロウとラオウの壮大な兄弟ゲンカの熱気に引き込まれるように読みましたが、改めて読み直すとケンシロウがバットやリンたちと出会って家族のような絆を築いていくドラマ部分に胸が熱くなりました。『北斗の拳』って、いろんな読み方ができる群像劇だったんですね。

武論尊 『北斗の拳』は格闘漫画として単純に楽しんでもらえればいいんだけど、そんなふうに読み直してもらえると原作者としてうれしいよ。でも、連載中は締め切りに追われていて、物語の流れに身を任せるように必死で書いていただけ。感動巨編を狙っていたわけではないんだ。エンターテイメントを目指していると、自然とああいう内容になったんだ。物語を面白くするのは仲間同士の絆だったり、成長ドラマだったりするからね。

──連載時は完全なフィクションとして笑って読んでいたんですが、格差社会がますます進んでいく状況ではあながち絵空事じゃなく感じます。

武論尊 うん、そうだね。まぁ、後づけなんだけど、ヒットして世間から認められたから、そういう読み方もできるのかも知れないね。これがまったくヒットしていなかったら、ただの荒唐無稽な絵空事の世界で終わっていたでしょう。やっぱりヒットし、多くの読者に読んでもらうことで作品って変わっていくもの。漫画って生き物なんですよ。途中で手を抜いたり、水をあげるのをやめると枯れてしまう。常に新しい要素を加え、養分を与えないと死んじゃう。だから読者の目はすごく大事。自分の中でオナニー的に書いたものは成長しない。『北斗の拳』もヒットしていなかったら、まるで違う終わり方をしていたはずですよ。

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