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東京ビッグサイト新社長就任で「コミケ終了か」と不安の声も……夏コミ準備集会が開催

bigsite001.jpg東京ビッグサイト

 6月26日、株式会社東京ビッグサイトは新たな代表取締役社長に、元東京都副知事の竹花豊氏が就任したことを発表した。これを機に「コミケも規制される」「コミケ終了か」という不安の声が上がっている。


 竹花氏は、警察官僚出身。各地の警察本部長などを歴任した後に、2003年から東京都副知事を務めた。この間、東京都の不健全図書指定を行う青少年課を含む、東京都青少年・治安対策本部を創設。東京都青少年健全育成条例の改定にも携わり「何人も、青少年とみだらな性交又は性交類似行為を行つてはならない」という規定を盛り込むなど、青少年対策に傾注した。警察庁に戻った後の06年には、「バーチャル社会のもたらす弊害から子どもを守る研究会」で携帯電話やゲームの規制強化を唱えるなど、治安管理と表現規制の面では“バリバリの規制派”であるとみられている。

 果たして、竹花氏の就任は同人誌に危機をもたらすのか?

 東京ビッグサイトは、コミックマーケットをはじめ多数の同人誌即売会が会場として使用している。そこで頒布される同人誌に、性表現を用いたものも多数存在するのは、よく知られていることだ。だが、性表現がなんの枷(かせ)もなく頒布されているわけではない。

 同人誌即売会は対面販売ということもあり、18歳未満に性表現を用いた同人誌が頒布されないように配慮がなされている。性器に修正が施されていないもの、不十分なものは開場前に主催者がチェックして頒布を禁止することもあり、「ワイセツ物」の疑いがあるものが流通している可能性は限りなく低い。コミックマーケットの場合、開催の度に東京都の青少年課が視察に訪れているが、なんら問題になってはいない。

 現状、問題が発生しておらず、行政も問題としていない状況で、東京都の運営する第三セクターである東京ビッグサイトが、新たな規制を要求してくるかは疑問だ。

 東京都の複数の関係者は、今回の人事を「オリンピックを見据えて、東京都と連携を取りやすい人物を選んだ」と、話す。新たな規制を設けるための人事とは考えにくい。いくつかの同人誌即売会関係者にも話を聞いたが、この人事とともに規制の強化が始まるとは考えていないようだ。

 ただ、参院選で与党の勝利が確実視され、児童ポルノ法改定案が継続審議になっている中で、不安な人々に更なる不安要素を注入しているのは間違いない。

 おりしも8月に開催されるコミックマーケットを前に、7月15日には第3回拡大準備集会が開催される。コミケ開催のたびに必ず催されるこの集会では、スタッフ向けの集会の前に、一般参加者も含めて質疑を受け付ける時間が設けられている。これまでも、規制問題に関する質問は定番であったが、今回はより多くの質問が出るのではないかと予測される。部屋の隅でコミケ終了の妄想をコジらせるなら、参加してみたほうが健康的ではないだろうか。
(取材・文=昼間たかし)

最終更新:2013/07/11 19:30
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