提出されたら止めようがない? 児童ポルノ法改“悪”案、来週にも提出へ
#児童ポルノ #青少年育成条例 #非実在青少年
21日、自民・公明両党が今国会中に児童ポルノ法改正案を提出することが明らかになった。今国会中の成立を目指すとされる。
新聞各紙の報道によれば、自民・公明両党は児童ポルノ法改正案を、議員立法として来週中にも提出することを決定。日本維新の会も含めた三党の共同提案となる見通しだ。
国会の会期は残すところ1カ月あまり。開催中の通常国会では、17年ぶりに予算成立が5月にずれ込むなど、与野党の対立が続いている。重要法案として挙げられている、衆院小選挙区定数「0増5減」に伴う区割り改定を盛り込んだ公選法改正案は、参議院での審議入りをめぐり調整が難航するなどしている。その中で、児童ポルノ法改正案を審議し可決することができるかは微妙なところだ。
それでも、会期中に改正案が成立する可能性は極めて高い。
「通常、議員立法で提出された法案は数日間の審議で可決してしまう例が多い。(取材活動が制限される恐れのある)探偵業法も、雑誌を中心にマスコミから懸念の声があったにもかかわらず、審議されたのは数日だけだった」(出版業界の消息筋)
また、国内外の表現規制の問題に詳しい、兼光ダニエル真氏は
「規制を進める側がギリギリまで態度を示さず、いきなり法案を提出して成立に持ち込もうとするやり方は、東京都青少年健全育成条例改正問題と酷似しています。ろくすっぽ議論もしないのであれば、民主主義に対する挑戦というよりほかはありません」
と、憤る。
ここにきて、児童ポルノ法の改“悪”に反対する声は、大いに盛り上がっているかといえば……さほど熱気は感じられない。東京都青少年健全育成条例改正問題の際に「非実在青少年」といったキャッチーなキーワードがきっかけとなり「自分の好きな漫画が規制されるのでは」という不安から、大いに盛り上がったのとは大違いだ。
ゴールデンウィーク以降、出版業界を中心に国会議員に対する説得活動は続いているが、自民・公明両党が盛況な中で困難を強いられている。このまま改正案は成立に至るのか? あと1カ月ほどで結果は判明する。
(取材・文=昼間たかし)
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