みんなの党・山田太郎参議院議員「表現の自由を大幅に規制する『児童ポルノ法』案に反対します」
#児童ポルノ #青少年育成条例 #非実在青少年
~蘇れ日本の成長力~」より
8日に開かれた参議院予算委員会でみんなの党所属の山田太郎参議院議員は、自民党政調会長の高市早苗衆議院議員らが議員立法として今国会への提出を予定している「児童ポルノ法」改定案(実質的な与党案)について質問を行った。高市議員らの案が漫画・アニメなどの過剰な自主規制を招きかねないと指摘する山田議員に対して安倍総理は慎重な検討が必要とは思っているとしながらも「議員立法として提出が検討されているものであり、現在は検討中のためコメントは差し控える」と回答するにとどまった。
また「議員立法でやっているので、財務省に持ち込まれても所管外」と答えた、麻生太郎金融担当大臣は、漫画・アニメを規制対象として検討しながらも小説が対象外になっていることについて「漫画のほうが子供が読むので、この種の話になったのだと思う」と持論を述べた。
山田議員は、高市議員らの改定案を、いち早く自身のサイトで公開するとともに「表現の自由を大幅に規制する法案に反対」する立場を表明している。予算委員会に先立つ今月3日、筆者の取材に応じた山田議員は「高市自民党政調会長自らが、我が党に法案の説明に来た。今回は(改定案を通すための)本気を感じる」と、当日の状況を話す──。
今回、高市議員が、みんなの党の政調会議を訪問して法案の説明をしたことは「異例中の異例」だ。というのも、政調会長の役割は、党内の意見を取りまとめることが一般的だ。にも関わらず、高市政調会長は自ら説明にやってきた。そこに「この法案を通したい」という本気度を感じるというのだ。
当日、法制局の担当者と共にやってきた高市氏の説明に対して、山田議員らは次々と疑問をぶつけた。
「みんなの党内では、規制強化に慎重な意見の議員が数多くいます。説明を聞いて疑問を感じたのは、まず附則で記された政府が漫画・アニメなどが児童の権利を侵害する行為と関連性があるか調査研究し、三年後を目処に検討するという法案の附則の部分。そして、単純所持禁止の項目です」
特に疑問の声が大きかったのは、漫画・アニメなどが児童の権利を侵害する行為と関連性があるか調査研究をするという部分だ。みんなの党では、山田議員をはじめとした議員が、この項目が過剰な自主規制を招く可能性があるなど、表現の自由を大幅に規制する結果となると認識していたからだ。その危惧について質問した山田議員に対して、高市議員は
「党内では、もっと厳しく取り締まったほうがよいという意見もあるのだが、私が頑張ったから、附則に止まっている」
と、自民党内にはさらに強硬に漫画・アニメを含めた規制を求める議員が存在することも匂わせたという。規制強化は2009年の審議の際と変わらず規定の方針だ。一方で、芸術作品や水着写真までもが所持しているだけで犯罪になってしまう可能性のぬぐえない(諸外国では、実例がある)単純所持の禁止の部分については、少々意見が変わったようで高市議員は
「芸術性の高いものは大丈夫」
と、説明したのだとか。2009年の審議の際に法務委員会で答弁した自民党の葉梨康弘衆院議員(昨年の衆院選で返り咲き)が「(写真家の)篠山紀信さんにもネガごと捨ててもらう」と話して、批判を浴びたことで多少は学習したらしい。それでも、基本的な方針は普遍なのだ。
「この法案が通れば、出版社や漫画家など表現する側は過剰な自主規制へと走ることになるでしょう。また、インターネット事業者に児童ポルノの情報の送信を防止する措置を講ずることを求める条文もあります(第14条の2)。児童ポルノの送信を傍受するという目的で、個人のメールなどを堂々と見てよいということです。規制を進める人々には、とにかく社会を浄化したいという感情的なものを強く感じます。このままでは『図書館戦争』のように自由な表現がゲットーのようなところに閉じ込められ、メディアにも報じられない、そんな世の中が本当にやってくるのではないでしょうか」
山田議員の危惧は深まるばかりだ。
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