ジャッキー・チェン“最後のノースタント・アクション”を見届けよ!『ライジング・ドラゴン』
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今週紹介する新作映画2本は、香港・中国合作の冒険アクションと、英国発の人生賛歌。ジャンルもテーマも異なるが、共にベテラン俳優が監督を手がけた作品でもある。
4月13日に封切られる『ライジング・ドラゴン』は、ジャッキー・チェンが監督・製作・脚本・主演を務め、伝説の秘宝をめぐって繰り広げる冒険を描いたアクションアドベンチャー。中国・清王朝時代に諸外国から略奪された十二支のブロンズ像を集めるため、あるアンティーク取引業大手がトレジャーハンターのJC(ジャッキー・チェン)を雇う。カンフーの達人で超人的な身体能力を持つJCは、チームを結成し秘宝を求めて世界を駆けめぐるが、行く先々で強敵に遭遇する。
『ドランク・モンキー 酔拳』(78)以来、30年を超える映画活動の総決算として、ジャッキーが自ら「最後のノースタント・アクション」を宣言した超大作。スピーディーな拳と蹴りにユーモラスな挙動も織り交ぜたお馴染みのカンフーはもちろん、ローラーブレード・スーツで腹ばいになって山腹の下り坂を滑降するシーンや、パラグライダー、クライマックスのスカイダイビングまで、文字通り体を張ったアクションが目白押し。従来のジャッキー映画のフォーマットに、『ミッション:インポッシブル』と『パイレーツ・オブ・カリビアン』両シリーズの要素もちゃっかり取り込み、見どころ3倍の娯楽活劇となった。1954年生まれ、現在59歳とはとても思えない離れ業の数々もこれがラスト。お約束のエンドロールのNGシーン集まで、しっかり見届けたい。
続いて、4月19日公開の『カルテット!人生のオペラハウス』は、名優ダスティン・ホフマンによる初監督作品。英国の田園地方に立地し、引退した音楽家たちが暮らす「ビーチャム・ハウス」で、穏やかに余生を送るレジー(トム・コートネイ)ら昔のカルテットメンバー3人。だが、かつての仲間であり、野心家でエゴイストだったため皆を傷つけ疎遠になっていたジーン(マギー・スミス)が新たに入居してくる。近く開かれるコンサートが成功しなければハウス閉鎖という危機を迎え、伝説のカルテット復活に皆の期待が集まるが……。
『戦場のピアニスト』(02)、『潜水服は蝶の夢を見る』(07)などで知られる脚本家のロナルド・ハーウッドによる戯曲を映画化。舞台となる元音楽家向けの老人ホームは、手入れの行き届いた庭園と緑豊かな丘陵に囲まれた上流階級の屋敷といった風情で、思わず羨望のため息が出てしまう。施設の住人たちに本物のオペラ歌手や演奏家を多数起用したのも話題で、彼らによるくつろいだ雰囲気でのパフォーマンスも音楽ファンにはたまらない。老いの悲喜劇をユーモアで包み、「年を重ねるのも悪くないな」と思わせてくれる滋味豊かな逸品だ。
(文=映画.com編集スタッフ・高森郁哉)
『ライジング・ドラゴン』作品情報
<http://eiga.com/movie/77834/>
『カルテット!人生のオペラハウス』作品情報
<http://eiga.com/movie/77846/>
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