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深読みCINEMAコラム【パンドラ映画館】vol.214

閉塞化した世界を笑い飛ばす、常識破りの怪作! メタメタおかしい底抜け脱線ホラー『キャビン』

cabin1.jpg“マルチ・レイヤー・スリラー”と銘打たれた新種のホラー映画『キャビン』。
2010年公開予定が、米国でも2012年にようやく公開に至った。

 たまたま2時間ドラマを見ていたら、旅館に着いたばかりの片平なぎさと船越英一郎がいきなり毒殺されてしまい、何と真犯人は事件を担当していた監察医の沢口靖子だった! しかも沢口靖子はロボットで、山村紅葉によって遠隔操作されていた!! そのくらいの衝撃ですよ。『キャビン』という何の捻りもないタイトルのホラー映画ですが、まったく期待せずに客席に身を委ねていると、常識破りの展開に目がテン&口あんぐり状態。一見、ゆる~いB級映画と思わせておいて、次々と底が抜けていく快感に身悶えすることに。ぜひ、みなさんも本作を舐めて掛かってください。

 物語の始まりは、も~絵に描いたようなホラー映画の定番パターン。夏休みになり、浮かれまくる米国の若者たち。5人の男女はワゴン車に乗り込んで、避暑地にある別荘へレッツゴー! リーダー格はアメフト部のカート(クリス・ヘムズワース)。『マイティ・ソー』(11)『アベンジャーズ』(12)で売り出し中の雷様ですよ。カートにくっついて、いつもイチャイチャしているのは金髪美女ジュールス(アンナ・ハッチソン)。マジメ女子のデイナ(クリステン・コノリー)はカートの親友ホールデン(ジェシー・ウィリアムズ)とちょっとイイ雰囲気。お邪魔虫な感じで、マリファナ大好きなマーティ(フラン・クランツ)もくっ付いてきた。まぁ、ここはお固いことは言わず、人里離れた別荘でセックス&ドラッグを存分に楽しみましょうや。ところが山を越え、谷を渡って到着した先は、別荘とは名ばかりの怪しげな山小屋。すぐ近くには、どこかで見たようなデジャブ感ありありな湖が……。ホラー映画の二大教典『死霊のはらわた』(81)と『13日の金曜日』(80)を合体させたような舞台じゃないですか。こんな不気味な場所からさっさと引き返せばいいのに、5人の若者たちは肝試し感覚で山小屋の扉を開けてしまう。さぁ、未曾有体験の始まりはじまり♪

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