深読みCINEMAコラム【パンドラ映画館】vol.212
裏方スーパースター列伝、あの超絶技が蘇る!『セックスの向こう側 AV男優という生き方』
2013/02/27 16:00
#映画 #パンドラ映画館
AVの撮影現場。売れっ子男優だった平本一穂(47)は2006年にAVメーカーを立ち上げ、
現在はプロデュース&監督業をメーンにしている。
現在はプロデュース&監督業をメーンにしている。
シルベスター・スタローン率いる『エクスペンダブルズ』の傭兵軍団よりも、さらにタフでかっこよくて心優しき男たちが日本にはいた! 加藤鷹、日比野達郎、速水健二、山本竜二、平口広美、平本一穂、島袋浩……。アダルトビデオの創成期から今なお現役で活躍し続ける人気AV男優たちが続々と登場するドキュメンタリー映画が『セックスの向こう側 AV男優という生き方』だ。30年の歴史を数えるAV業界は現在100社以上のメーカーから月間販売タイトル4500本が世に出ている。推定1万人とも言われるAV女優たちを相手に、日夜休まずに腰を振り続けているAV男優の数はわずかに70名。10,000vs.70という過酷な闘いを続ける彼らこそ、まさにエクスペンダブルズ(消耗品軍団)ではないか。『セックスの向こう側』は総勢20名に及ぶ新旧人気AV男優たちの素顔と本音に迫っている。
AV男優はあくまでもAV女優を引き立てる裏方的存在だ。人気AV女優が1本当たり数百万円のギャラが支払われるのに対し、AV男優は日当2〜6万円とかなりの格差がある。ぶっかけ専門の汁男優にいたっては数千円という薄給。また、AV女優はプロダクションに所属するが、ほとんどのAV男優がフリーランス契約で、営業活動からスケジュール管理まですべて自分ひとりでやらなくてはならない。食べていくために幾つもの現場を掛け持ちするが、デジタルモザイクになったこともあり、ひと昔前のように疑似本番で済ませることが難しくなった。常にギンギンの状態で現場に臨まなくてはならない。『ターミネーター』ばりの不死身の体力が求められる『ダイ・ハード』な職種なのだ。
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