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朝日新聞とテレ朝系列、無能役員押し付け合いでゴタゴタ…広告額でも読売に敗北?

 サイゾーのニュースサイト「Business Journal」の中から、ユーザーの反響の大きかった記事をピックアップしてお届けします。

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朝日新聞とテレ朝系列、無能役員押し付け合いでゴタゴタ…広告額でも読売に敗北? – Business Journal(2月21日)

朝日新聞東京本社(「Wikipedia」より)

 朝日新聞社とテレビ朝日系列が「微妙な関係」になっているため、昨年、朝日新聞社長に就任した木村伊量氏が役員人事で苦労している。これは、朝日新聞経営トップ層がコーポレートガバナンスに関して理解不足であるがゆえに起きている「災難」でもある。

 朝日新聞の一部経営層は現在、危機感を抱いている。「2012年度は広告の出稿額で読売新聞に初めて負けそう」(関係筋)だからだ。これまで朝日新聞社内では「部数では読売新聞に歯が立たないが、紙面のクオリティはうちが上で広告価値が高いため、広告出稿額では絶対に負けない」という自負があったが、それが崩れようとしているから一大事なのだ。

 ご多分に漏れず、新聞広告も不況の波に襲われているが、朝日新聞社の場合、経済部出身で広告担当常務だった久保田泉氏(11年に退任)がトップセールスを展開し、落ち込みになんとか歯止めをかけていた。しかし、同じく経済部出身で後任の和気靖常務が「お調子者のまったく無能な役員で、理屈だけは口からポンポンと出てくるが、実行が全く伴わない」(朝日新聞幹部)との評判で、不況と相まって落ち込みに歯止めがかからなくなったという。

 この和気常務は、広告担当の前はデジタル部門などを担当していたが、ここでもほとんど成果を出せなかった。ただ、経済部系の「ドン」と呼ばれる箱島信一元社長の覚えがめでたく、週刊朝日での「橋下問題」の責任を取って退任した朝日新聞出版社長だった神徳英雄氏と並んで、箱島派の「助さん格さん」と呼ばれていた。「記者としても管理職としても和気氏は無能だが、秋山耿太郎前社長は箱島氏から社長を禅譲してもらった恩もあったため、箱島派への恩返しで番頭格の和気氏を役員に抜擢した」(同)というのが実情のようだ。

 しかし、能力不足の和気氏はどこの部署を担当させても成果を出せず、木村体制では「お荷物役員」となりつつある。このため、木村氏は和気氏を、テレビ朝日系の中核会社である朝日放送(本社・大阪市)に社長含みの役員で送り出す方向で動いている。

●朝日新聞、朝日放送を子会社だと勘違い?

 これに困ったのが朝日放送である。朝日放送側も和気氏が無能で役に立たないことを察知しており、「朝日放送の脇坂聡史社長が、朝日新聞側に『和気氏を送り込まれては困る』と猛抗議した」(テレビ朝日関係者)ようだ。その関係者は「朝日放送は朝日新聞の子会社ではないので、役員人事は朝日新聞の意向だけでは決められない。資本の論理では動かせない会社なのに、朝日新聞は勘違いして子会社だと思って、無能な役員や幹部の天下り先として活用している」と語る。

 確かにテレビ朝日や朝日放送は朝日新聞の子会社ではなく、持ち分法適用会社である。

 テレビ朝日と朝日放送の関係を見ても、朝日放送はテレビ朝日の子会社ではない。朝日新聞とテレビ朝日の関係については、かつてテレビ朝日は朝日新聞から34%の出資を受け、定款変更などで拒否権を持たれて支配された会社だったが、朝日新聞が創業家の村山家が保有する株式を相続対策としてテレビ朝日に引き受けてもらって以来、会社法の決まりで出資比率を下げなければならず、テレビ朝日は朝日新聞の支配権が完全に及ぶ会社ではなくなった。この「資本の論理」を朝日新聞社の経営トップが理解していないのである。

 世間一般の企業の事例をご紹介しよう。例えば、グループ企業の多いトヨタ自動車を見てみよう。グループ最大手の自動車部品メーカーのデンソーは売上高の半分をトヨタに依存しているが、トヨタの支配権が完全に及ぶ子会社ではなく、持ち分法適用会社である。トヨタはデンソーを支配すべく、社長や会長を送り込もうと画策しているが、デンソーはしたかたにそれを拒否するケースもある。特に社長ポストはトヨタに絶対に渡さない動きが強まっており、トヨタが送り込もうとすると、機先を制して先に役員人事を決めてしまい、トヨタが入り込めないようにすることすらある。

 デンソーは、売上高の半分をトヨタに頼っているとはいえ、見方を変えれば、半分はトヨタ以外の自動車メーカーとの取引であり、「トヨタ色」がつきすぎるのも得策ではないからだ。

●テレ朝のしたたかさ

 朝日新聞とテレビ朝日系列も、同じような関係だ。現場の人的つながりやビジネスでは強い関係があるが、朝日新聞は「資本の論理」ではテレビ朝日系列を支配できなくなっており、役員人事は意のままに動かせないのである。それを一番理解して巧みに役員人事に活用しているのが「脱子会社」に成功したテレビ朝日の早河洋社長である。朝日新聞との無益な摩擦を避けるために、朝日新聞側からは一旦役員を受け入れても、早河氏の判断で即座に役員を異動させる。

 先に述べた久保田泉氏は朝日新聞常務を退任後、テレビ朝日専務に天下ったが、わずか1年で退任に追い込まれた。「自分に意見してくる久保田氏を嫌った早河氏が、久保田氏を東北の系列局である東日本放送社長に送り出そうとしたが、久保田氏がこれを蹴ったために退任した」(朝日新聞関係者)という。

「親・子会社」というこれまでの朝日新聞とテレビ朝日の関係であれば、不祥事でもない限り、親会社の常務から引き取った人物をわずか1年で異動させることなどは絶対にできなかった人事であろう。今年は、朝日放送が和気氏を受け入れるか否かの人事が注目される。
(文=編集部)

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最終更新:2013/02/22 14:00
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