マイクロソフト製セキュリティソフトに問題あり? 「Microsoft Security Essentials」がウィルステストに不合格
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ドイツのセキュリティ研究所「AV-Test」は毎年、セキュリティソフトのテストを行っている。このテストでマイクロソフトのセキュリティソフト「Security Essentials」が認定を取得できなかったのだ。
「Security Essentials」はWindows XP/Vista/7向けに無料で公開されているセキュリティソフトで、ウィルスやマルウェアを検出・除去するためのツール。Windows 8には標準機能としてWindows Defenderに組み込まれている。それまでは、有料のセキュリティソフトを購入するのが当たり前だったのだが、Windowsを開発しているメーカーが無料で公開したため、人気を集めていた。
「AV-Test」は一般的なマルウェアの検出に加え、ここ2~3カ月で見つかったマルウェアの検出率やゼロデイアタックの防御率などもテストしている。ゼロデイアタックとはOSやアプリケーションの脆弱性を突き、対策がなされる前に攻撃する手法のこと。「Security Essentials」はゼロデイアタックの防御率が64%、最近のマルウェアの検出率は90%にとどまった。ライバルの平均値はそれぞれ89%、97%となっている。
この結果に対し、マイクロソフトマルウェアプロテクションセンターのプログラムマネージャであるジョー・ブラックバードはネットで反論。検出できなかったマルウェアのサンプルのうち、94%は顧客のPCに影響を与えなかったという。マイクロソフトは、それまでのプロダクツを使っていた20万のユーザーのフィードバックを分析し、優先してブロックする機能を与えている。要は、ほとんどの場合、大丈夫ですと言っているのだ。しかし、0.0033%は被害を受けることも明らかにしている。100万人につき33人とはいえ、膨大な人たちが使っているセキュリティソフトなので不安であることは確かだ。マイクロソフトは、反論はしたものの、改良することも明言している。次のテストは「AV-Test」の認定を取得できることだろう。
万全を期すなら、それまでは他のセキュリティソリューションを導入した方が安心できる。シマンテックやトレンドマイクロなどの製品は認定を取得している。どうしても無料で使いたいなら、「Avast: Free AntiVirus 7.0」や「AVG: Anti-Virus Free Edition 2012 & 2013」を利用しよう。
(文=柳谷智宣)
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