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日刊サイゾー トップ > カルチャー > 本・マンガ  > 猪瀬新知事の“表現規制”に迫る
これが都民の選択──

猪瀬直樹新都知事に肉迫! 『ミカドの肖像』の前に脆くも崩れた「表現の自由都市」という妄想

東京都の新都知事・猪瀬氏

 石原慎太郎前知事の辞職に伴う東京都知事選は、前・都副知事の猪瀬直樹氏が圧倒的多数で当選を果たした。当選を決めた直後、選挙事務所で開かれた記者会見に当サイトも参加。一昨年の東京都青少年健全育成条例以来続く「表現の自由」について、再び問うた。

 「漫画表現の自由を奪う“規制派”である」という批判に対して、猪瀬氏は「漫画規制はやっていない」と断言する。そして、選挙期間中にTwitterなどで猪瀬氏に対するネガティブなツイートが相次いだことに触れながら、次のように語る。

「間違った情報が流れているだけです。ゾーニングの問題であって、表現規制ではないんだということをわかっていただければよい。僕も言論表現の自由を追求してきました。ただし、言論・表現は、言論・表現の自由と規律があって初めて成り立つわけです」

 これまでも当サイトで報じている通り、東京都青少年健全育成条例は、改正はされたものの、新たな条文の適用は行われていない。一方で、今年に入ってからは、度を超えた表現で不健全図書指定を受ける例が数例見られ、「規律」の部分が弛緩してきていると言わざるを得ない。もはや、猪瀬氏の新知事当選を経て「規制が強まるのでは」と心配するよりも、まずは「内部の敵」を点検する必要があることに、カンのよい出版人なら気づき始めているはずだ。

 今回、猪瀬氏の有力な対抗馬として登場した宇都宮健児氏は「東京を“表現の自由都市”に」をスローガンに、「“表現の自由”を保障するために、デモ・集会規制、マンガ規制、クラブ規制などを見直します」を公約に掲げた。しかし、それは大きな支持を集めることにはならなかった。宇都宮氏を支持した日本共産党の組織票は約60万票。それを差し引いて考えると、脱原発や「表現の自由」に重きを置いて投票した人が、いかに少なかったかが、自ずと見えてくる。

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