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伝説のトキワ荘メンバー・森安なおやの傑作幻の『烏城物語』が、まさかの限定復刻!

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 トキワ荘の伝説的メンバーの幻の作品が、まさかの復刊! 藤子不二雄・石ノ森章太郎・
赤塚不二夫ら多くの漫画家を輩出したトキワ荘。その中で一際異才を放った男・森安なおやの最後の作品『烏城物語』が復刊された。

 森安は1934年岡山県生まれ。寺田ヒロオの呼びかけた新漫画党結成に参加した、トキワ荘を語る上で欠かせない人物として知られる。

 彼の名が知られるのは、その作品よりも藤子不二雄の自伝的作品『まんが道』(あるいは続編にあたる『愛…しりそめし頃に… 満賀道雄の青春』)などで描かれた奇矯なふるまいだ。これらの作品では、満賀道雄(いわずとしれた『まんが道』の主人公)が朝食と昼食用に置いていたパンを平らげたり、締め切りでヒィヒィいっている満賀に「青春を楽しまなくちゃ」と遊びに連れだそうとしたり、奔放な姿が描かれる。実際の森安も、これに近い人物で、出版社からの前借りや借金も踏み倒し、同居していた鈴木伸一の背広を売り払って食費に充てたりと無頼を貫き、ついには寺田ヒロオから新漫画党の除名処分を受けると共に、「今後一切、森安なおやとは付き合わない」との回状を回されるまでになった。

 だが、トキワ荘を知る人々は、この人物を(「キャバ」などの愛称をつけて)愛してやまない。締め切りが絶対な漫画家の世界で、「気が乗らなければ描かない」を貫き、漂泊しながらも死ぬまで漫画を描くことをやめなかった生き様は、決して真似できない憧れである。

 今回、復刊された『烏城物語』は1997年に、地元の同級生たちが「漫画家・森安なおやを岡山に呼ぶ会」を結成し出版したもの。しかし、少部数の出版であり、古書市場でも滅多に出回ることはなかった。

 それが、11月3日から岡山で開催される芸術祭『岡山芸術回廊』の出品作品として限定2,000部で復刊されたのだ。

 筆者が、この情報を知ったのは、11月も下旬に入ってから。これは大変だ! とすぐさま岡山へ向かった筆者は、『岡山芸術回廊』のホームページで案内されていた販売場所(何が後楽館高校跡だよ! 農政局跡だろ、ここは!)に駆け込んだ!

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