「直接取引や返品詐欺に注意!」手を変え品を変え進化する、オークション詐欺の手口
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昨今、大人気のネットオークション。「Yahoo!オークション」には現在、2000万件を超える出品があり、多数のユーザーが利用している。一般的な中古ショップやリサイクルショップで買い取ってもらえない商品でも、オークションなら意外な値が付くことがあったり、発売が終わっている商品やそのパーツなどを探すときにも重宝する。しかし、人とカネが集まれば、当然よからぬ輩も集まってくる。
オークション詐欺は黎明期から問題になっていたが、手を変え品を変え、今でも頻繁に起きている。被害に遭わないためにも、オークション詐欺の手口を把握しておくことは大切だ。
一番多いのが、つり上げ詐欺。スタート価格を安く設定し、誰かが入札してきたら、出品者が別のIDで入札して価格をつり上げる方式だ。細かく上乗せして、その人が出せる限界まで価格を上げる。このIDが商品を落札してしまったらキャンセルし、「1番の人がキャンセルしたので、あなたに権利が移りました」と連絡するのだ。喜んで購入してしまう人がいるが、これはれっきとした詐欺行為だ。対策としては、別IDのアカウントをチェックし、落札件数や評価などをチェックすると効果的。とはいえ、今では別IDの履歴まで偽造して良好に見せる輩がいるので、1番がキャンセルしたと連絡が来ても無視するのがベストだ。
商品を誤解させるような詐欺もはやっている。ブランド品の写真を掲載して出品し、落札者にその商品の写真を送るというものだ。よく出品ページを読むと、商品そのものを送るとは書かれておらず、「説明を十分把握した上で入札して下さい」などという注意書きまである。これは、注意深く見れば判別しやすい。また、ブランド品の場合、明らかに相場より安いなら注意が必要。オイシイ話はそう転がっていないものだ。同様に、写真ではなく、偽物を送るケースも多い。この場合は、落札者が偽物だとわかっていて取引していることも多く、評価がよかったりするのも困りものだ。こちらも、相場より大幅に安いために見分けが付く。
商品がなかったり、そもそも発送するつもりがないのに出品し、代金をだまし取るケースもある。多人数からの入金を待つために、可能な限り発送を遅らせようとする。チケット詐欺の場合は、偽造チケットを送付して時間稼ぎをすることもある。最近のオークションサイトは、出品者の身元確認をするサービスが多いので、このような露骨な犯罪は起きにくい。しかし、ソーシャルハッキングで他人のIDを乗っ取り、入金だけは自分の口座に振り込ませるという事例が散見されている。出品者の名前とことなる名義の口座に振り込ませようとしているなら要注意だ。
入札のコメント欄や、落札後のやりとりで、直接取引を持ち掛けることも多い。匿名取引ができるエスクローサービスや代引きサービスなどを使いたくないため、直接振り込ませたいからだ。この時の常套文句は、「すぐに振り込んでくれるなら10%値引きします」というもの。「即発送します」「粗品を付けます」といった手口もある。直接取引は無視する。そもそも、そんな提案が来た時点で、入札からは手を引くべきだろう。また、直接取引を持ち掛ける際、簡単な英語を使うことがある。なぜか、英語だと簡単に引っかかってしまう人がいるが、こちらも同様に無視するといいだろう。
反対に、落札者が出品者を詐欺にかけることもある。商品を先送りしてもらい、代金を振り込まないというものだ。これは、先払いしてもらえばいいだけ。悪質なのは返品詐欺だ。普通に入金して商品を受け取り、その後、破損していたり故障していると難癖を付けて返品する。その際、別の商品を送付するのだ。例えば、自分のスマホを落として壊した場合、同じ製品を落札して、壊れた製品を送り返すのだ。これを防ぐためには、出品物のシリアルナンバーなどをしっかり控えておく必要がある。また、DVDビデオやソフトウェアなどのコンテンツの場合、商品をコピーしてから傷を付けて送り返して返金を要求する手口もある。これも、出品時にきっちり撮影して証拠を残し、トラブルがあったらオークションサイトに連絡するといいだろう。
詐欺に遭うと、いろいろな手続きをしなければならず、とても疲労する。保証サービスがあっても100%返ってくるわけでもないし、時間もかかる。自分の目を鍛え、詐欺に遭わないようにしよう。
(文=柳谷智宣)
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